英国で起きた「二段階の暗号化」――同じiPhoneなのに、守られ方が違う
英国でAppleのiCloud暗号化をめぐる話が、かなり変な形で落ち着きました。端的に言えば、同じ英国在住のiPhoneユーザーでも、ある人はAppleの最強の保護機能を使い続けられ、別の人はもう使えない、という状態になったのです。しかも差が生まれた理由は、端末や契約の違いではなく、ある時点より前に設定を有効にしていたかどうかでした。暗号化を弱めるよう政府が迫り、Appleがそれを拒み、最終的に「新規利用を止める」という逃げ道のような対応にたどり着いた――この経緯が、いま読むとむしろ英国の監視制度そのものを映しています。 元記事が追っているのは、AppleのiCloud向け最強保護機能「Advanced Data Protection(ADP)」が、英国で事実上ふたりのユーザーを別扱いにしてしまった経緯です。登場するのは、仮に同じiPhoneを持ち、同じiCloudを使い、同じ料金を払っているAliceとBill。Aliceは2024年にADPを有効化していたので、iCloudの多くのデータがエンドツーエンド暗号化で守られています。Billは有効化していなかった、あるいはAppleが新
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