Pythonの実験JITが消えるまでに起きたこと
Pythonの実験的なJIT compilerが、CPython本体から外されようとしている。いま取り上げる価値があるのは、単なる機能の追加・削除ではなく、Pythonの“本流”に新しい仕組みを入れるときに、どこまでを実験として許し、どこから先を正式な機能として扱うのかがはっきり見えたからだ。しかも今回は、対立がこじれて消えたというより、手順と責任の置き方を巡って静かに行き詰まった。Pythonコミュニティの進め方そのものが問われた話でもある。 問題のJITは、2024年初めにBrandt BucherがCPythonへ入れた実験機能だ。ちょうどPython 3.13向けの話として進み、当初は大きな機能なので標準化されたPEPを通してから入るべきだったはずなのに、最初はそうなっていなかった。Thomas WoutersがリリースマネージャーとしてPEP作成を促し、BucherとSavannah OstrowskiがPEP 744「JIT Compilation」を書いた。このPEPは informational PEP で、コミュニティに情報を共有するためのものであり、正式に機能採用を
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