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節目で要約を挟ませて、長い会話でも前提を保つ

長い依頼を一気に投げて、そのまま最後まで突っ走らせると、だいたいどこかで前提がにじむ。Claude Code は優秀だが、会話が長くなるほど「いま何を守るべきか」がぼやける。そこで効くのが、途中要約、つまり会話の節目で要約するやり方だ。

やることは単純で、作業の区切りごとに「ここまでの前提」「決めた方針」「未決事項」を短くまとめ直させる。これだけで、途中から入った指示に引きずられにくくなる。ファイル整理でも文書作成でも、最後に「最初に何をしたかったんだっけ」とならない。長い会話の事故をかなり減らせる。

筆者は昔、要件を詰めながらファイル移動の手順書を作らせていて、途中で「説明を短くして」と頼んだせいで、重要な注意点まで一緒に削られたことがある。あれは地味に痛い。会話が長いと、モデルはその場その場では筋の通った返答をするが、全体の設計図を勝手に保持してくれるわけではない。人間側が節目で釘を刺す必要がある。

一番やりやすいのは、最初に会話の運び方を決めてしまうことだ。たとえば、最初の依頼にこう入れる。

この作業では、適当な区切りごとに途中要約を入れてください。
要約には次の3点を入れてください。
- ここまでの前提
- 決まった方針
- まだ未確定の点

要約の長さは短く、3〜6行で十分です。
要約のあと、必要なら「続けてよいか」を確認してください。

この書き方のいいところは、Claude Code に「要約してください」とだけ丸投げしない点だ。何を要約するかを明示しておくと、ただの言い換えで終わりにくい。特に長い会話では、単なる言い換えの要約はあまり役に立たない。必要なのは、判断材料の圧縮だ。

もう少し実務寄りにするなら、節目そのものを先に決めてしまう。たとえば、次のように区切る。

次の節目で途中要約を入れてください。
- 要件を聞き終えたあと
- 実装方針を決めたあと
- 変更案を出したあと
- こちらが「ここまで」と言ったとき

各節目では、前提と未決事項を短く整理してください。

このやり方は、文書作成にも向いている。たとえば契約書の下書き、社内手順書、議事録のたたき台を作るとき、途中で一度要約を挟ませると、後半で表現が散らかりにくい。非エンジニアでもかなり効く。書類整理で「これは保存、これは削除、これは保留」と分類しながら進めるときも同じだ。途中要約がないと、気づいたら一部の例外条件だけが会話の底に沈む。

実際には、要約の出し方まで指定したほうがいい。ここを曖昧にすると、長文の感想文みたいな要約が返ってきて、かえって邪魔になる。

途中要約は、次の形式で出してください。

前提:
- ...

決まったこと:
- ...

未確定:
- ...

次に確認したいこと:
- ...

この形式はかなり強い。人間が後で読み返しても、どこまで決まっているか一目でわかる。Claude Code 側も、勝手に余計な説明を盛りにくい。会話が長くなるほど、こういう型が効く。

注意したいのは、要約を「毎回やれ」と詰め込みすぎないことだ。細切れの要約を入れすぎると、かえって会話が重くなる。筆者も最初は、数往復ごとに要約を要求して、逆にテンポを壊した。あれはやりすぎだった。節目は節目だけでいい。要件が固まるところ、方針が変わるところ、長い作業に入る前。この3つあたりを押さえれば足りることが多い。

もう一つ大事なのは、要約を見てこちらが修正する前提で使うことだ。途中要約は、単なる記録ではない。ズレを見つけるための検査でもある。たとえば、Claude Code が「不要なファイルは削除候補」とまとめてきたのに、実際には「削除ではなく保留」が必要だったなら、その場で直す。ここを放置すると、後半の出力が全部ずれる。長い会話で怖いのは、最初の一か所の勘違いが最後まで育つことだ。

ファイル整理のような作業では、こういう指示が使いやすい。

フォルダ整理を進める前に、20件ごと、または分類が終わるごとに途中要約を入れてください。
要約では次を明示してください。
- どの種類のファイルをどう分類したか
- 例外扱いにしたもの
- 次に確認が必要なもの

削除は、私が明示的に許可したものだけにしてください。

「削除は許可制」にしておくのは地味に重要だ。会話が長いと、要約以前に権限の境界がぼやける。Claude Code は勝手に危険なことをしたいわけではないが、曖昧な指示は曖昧な結果を呼ぶ。前提を保ちたいなら、要約と同じくらい、操作の許可範囲もきちんと決める。

文書作成でも使い方は同じだ。章ごとに途中要約を挟ませると、書き手自身が迷子になりにくい。

この文書は章ごとに途中要約を入れてください。
各要約では、章の主張、前章から変わった点、次章で扱う論点を短く整理してください。
要約のあと、その章で使った前提に矛盾がないかだけ確認してください。

これはただの親切ではない。長い下書きほど、前半で置いた前提を後半が雑に踏み抜く。途中要約は、その踏み抜きを減らすための柵だ。会話の見通しがよくなるし、あとで他人に引き継ぐときも楽になる。

最後に、うまくいっているかどうかの見分け方だけ覚えておけばいい。途中要約が役に立っているときは、要約を読んだ瞬間に「今どこにいるか」が戻ってくる。逆に、要約を読んでも何も分からないなら、要約の粒度が合っていない。短すぎるか、話が広すぎるか、そのどちらかだ。

長い会話で前提を保ちたいなら、Claude Code に「覚えておいて」と期待するより、節目で要約させたほうが早い。会話の地図を途中で描き直す。これだけで、手戻りはかなり減る。

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