まず気になったのは、「いい prompt って長さじゃないんだな」という、かなり当たり前でいて実は忘れがちな話が、コードを読むことでちゃんと腹落ちしているところだった。大きな成果物に見えて、実体は 349 行の JavaScript に収まっている。そこに少し驚く。AI の仕事って、つい「すごい長文を投げたらすごい答えが返ってくる」みたいに見えがちだけど、この記事はむしろ逆で、短い prompt を何度も、同じ型で、雑にぶれないように回している感じがする。
面白かったのは、著者が「Verifier が 3 回あるから正しい」と素直に受け取っていないところだ。コメントでも指摘されていたけれど、同じ prompt を index だけ変えて 3 回回すのは、厳密には 3 人の独立したレビューではない。これはかなり重要で、見た目の堅牢さと本当の堅牢さは別物だと分かる。AI の仕組みは、派手な機能より、こういう地味な設計の差で信頼感がかなり変わるのだと思う。
あと、refuted=true をデフォルトにして、迷ったら否定側に倒す、という発想がいかにも実戦的だった。人間のレビューでも、断定しきれないなら保留にするか慎重に倒すかで結果は全然違う。AI にも同じ癖を持たせているのがうまい。逆に言うと、ここを曖昧にすると、もっともらしいけど根拠の薄い答えが静かに混ざるんだろうなと思う。
一番納得したのは、著者がその構造を読んで終わりにせず、自分の用途に合わせて骨組みを抜き出しているところだった。技能の本体は長い文章ではなく、何をいつ待ち、何を並列にして、どこで締めるか、という orchestration にある。たぶん今後、こういう「小さく書いて、賢く回す」タイプの設計が、AI ツールの上手さを決めていくんじゃないかと思う。