この記事でいちばん面白かったのは、分析結果の「正しさ」そのものより、分からなかったことを分からないまま見せるところに力を入れている点だった。AI向けの道具って、つい「たくさん読ませれば賢くなる」と考えがちだけれど、実際には読み過ぎで文脈を食い潰すこともある。だから、まず地図を返すという発想はかなり筋がいいと思った。
特に 0.2.1 の「incomplete」や「skipped.unreadable」を表に出す話は、地味だけどかなり大事だと感じた。解析できなかったファイルが、結果の中で見えなくなったり、なんとなく安全そうに見えたりするのは怖い。セキュリティでもコードレビューでも、欠落が見えないことがいちばん厄介だからだ。この記事はそこをちゃんと潰していて、派手さはないのに誠実だなと思う。
もう一つ、TypeScript 対応の話も印象に残った。TypeScript は JavaScript の上位互換みたいに見られがちだけど、実際は構文も意味も少し違う。そこを雑に同じものとして扱わず、拡張子で言語を切り替えるというのは、当たり前に見えて案外ちゃんとしている。AI周りのツールは「賢そう」に見えるより、こういう地味な整合性のほうが信頼につながるのではないかと思う。
参考: A Map, Not a Megadump: Sentinel-IR-MCP 0.2.0 Adds TypeScript, 0.2.1 Makes Missing Analysis Visible