NASAの画像補正技術が、古代壁画を炙り出した話
NASAの技術が宇宙の外で、しかも何世紀も前の遺物の発見に役立っている。そんな話だと聞くと少し出来すぎに思えるが、この記事が伝えているのは、まさにその実例である。衛星画像を見やすくするために生まれた手法が、今では色あせて肉眼ではほとんど見えない古代の絵や刻線を浮かび上がらせている。しかもその広がり方が、研究者の偶然と、ひとりの趣味がつながって生まれたところに面白さがある。 元記事の中心は、NASAのJet Propulsion Laboratoryで生まれた画像処理手法「decorrelation stretch」が、古代の岩絵や壁画の調査で広く使われるようになった経緯だ。これは単にコントラストを上げる処理ではなく、画像内の色の関係を別の広い色空間へ写し替えて、微妙な違いを見つけやすくする方法だという。もともとは衛星写真から地表の情報をより多く引き出すために使われていたが、いまでは特に、退色して判別しづらくなった古代の絵に効くとして重宝されている。 この流れの起点にいるのが、カリフォルニア州パシフィカ在住のJon Harmanだ。1980年代に友人に誘われて地元の岩絵グループのフィール
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