この記事を読んでまず思ったのは、コーディングエージェントって思った以上に“提案文のうまさ”に左右されるんだな、ということだった。
同じカテゴリのサービスでも、どの文章を見せるか、どの前提を与えるかで選ばれ方がかなり変わる。しかもその差が、人間が想像する「性能差」よりずっと大きい場面があるのが面白いし、少し怖い。
特に引っかかったのは、「言及されること」と「選ばれること」がほとんど別物だという点だ。
Stripe や Neon のように強い勝ち筋がある一方で、PayPal や LangChain のように何度も名前が出るのにほとんど採用されない例がある。人間の感覚だと、知名度が高いものはそこそこ勝つ気がする。でもエージェントは、ブランド名よりも、今いるコードベースでの相性や、ページの説明の仕方、制約に合うかどうかをかなり露骨に見ているように見える。そこはむしろ誠実だと思う。
一方で、この記事全体には少し営業っぽさも感じた。
「どうすれば coding agents に選ばれるか」という視点が強くて、研究というより市場攻略の匂いがある。もちろん Armature 自身がその分野で仕事をしているのだから自然ではある。でも、だからこそこの結果は「エージェントはこう判断する」というより、「こう見せると選ばれやすい」という話として読むほうが正しいのではないかと思う。実際、説明の出し方で Supabase が不利になったり、Mailgun が負けたりしているなら、判断の純度はかなり揺れる。
それでも、この実験規模で traces まで公開するのはかなり勇気がある。
少なくとも、コーディングエージェントを「賢い検索ボックス」みたいに扱うのは危ないし、逆に「完全な自動意思決定者」と見るのも違う。コードベースの文脈、提示された言葉、エージェントごとの癖。その全部が混ざって選択が決まる、という当たり前だけど厄介な話が、かなり生々しく見えた。
参考: Which tools do Claude Code, Codex and Cursor choose? We measured 16,893 sessions to find out.