この記事を読んでまず思ったのは、「これ、比較表にしてしまうと逆に危ない話だな」ということだった。MCP、REST/HTTP API、Kafka は、どれも“つなぐもの”ではあるけれど、同じ土俵で優劣をつけると外しやすい。特に AI エージェントの文脈だと、つい「新しい標準が出たなら全部それでいいのでは」と考えたくなる。でもこの記事は、そこをかなり強く引き止めている。
いちばん腑に落ちたのは、MCP を「ツールの呼び出し口」に限定しているところだった。AI が外部のシステムを使うとき、毎回バラバラの接続方法を覚えさせるのは確かにしんどい。MCP の価値は、その面倒を減らして、モデル側にとって扱いやすい共通の入口を作る点にあるのだと思う。ただし、それはあくまで入口であって、データの鮮度や整合性、配信保証まで面倒を見るものではない。ここを盛り込みすぎると設計が壊れる、という指摘はかなり現実的だと感じた。
逆に、REST や Kafka を「古い」「新しい」で雑に分けない姿勢もよかった。REST は人間にもシステムにも扱いやすいし、Kafka はイベントを溜めて後から複数の消費者がそれぞれ使えるのが強い。AI エージェントの流行に引っ張られて、既存の API や event broker まで MCP に寄せたくなる場面はありそうだけれど、そこはたぶん危険だ。便利に見えても、役割の違うものを無理につなぐと、最後に困るのは運用する側だから。
この記事で少し引っかかったのは、MCP の成熟をかなり前向きに描きつつ、セキュリティの話はまだ道半ばだと書いている点だった。標準として広がるスピードに比べて、権限管理や監査の整備は追いついていない。これは新しいプロトコルではよくあることだけれど、AI エージェントは自動で動くぶん、普通の API よりも事故の広がり方が怖い。便利さに目が行きがちだけれど、実運用では「何をつながせるか」より「何をつながせないか」の設計のほうが先に来るのではないかと思う。
参考: MCP vs REST/HTTP API vs Kafka: The Architect's Guide to Agentic AI Integration