この記事を読んでまず思ったのは、「GA まで来たのに、使いたい人がすぐ使えないのはもったいない」ということだった。しかも原因が Claude や ChatGPT 側ではなく、Microsoft の Entra 側にあるというのが少しややこしい。ユーザーから見ると“対応しているようで未対応”に見えるので、これはかなり印象が悪い。
ただ、引っかかるのはその不便さだけではない。むしろ面白いのは、MCP みたいな共通規格が広がっても、最後に残るのは identity の問題なんだな、という点だった。ツールの呼び出し方は揃えられても、「そのクライアントを誰として認証させるか」は別問題で、そこを各社が自前で抱えている。今回の話は、その分断がかなり露骨に出た例だと思う。
Microsoft の立場から見ると、Entra 経由で権限をそのまま渡せるのは確かに筋がいい。PAT を config に置くよりは事故りにくいし、開発者の権限だけを引き継ぐ、という説明にも納得感はある。けれど、その“安全な設計”が、結果として Claude Code や Cursor みたいな外部エージェントを締め出しているのは皮肉だ。安全性を取ったというより、Microsoft 製のクライアントだけが先に気持ちよく動く構図にも見える。
結局これ、MCP の勝利というより、まだ「各社の認証基盤をどこまで橋渡しできるか」の話なんだと思う。規格が整っても、そこに乗るサービスが本当に開かれるまでには、認証の壁が残る。開発者体験の話をしているようで、実際には企業の境界線の話をしている。そこがこのニュースのいちばん生々しいところだった。
参考: Azure DevOps Remote MCP Server Reaches GA, Without Support for Claude, ChatGPT, or Cursor