いちばん引っかかったのは、「無料で役に立ちそう」なのに、同時にかなり危うい匂いもするところだった。モデルが吐いた report をそのまま渡す仕組みは、うまくハマれば maintainer の手間を減らせる。でも、security の世界では「それっぽい説明」がいちばん厄介だと思う。reproducer や suggested patch まで付いてくると、つい信じたくなるからだ。
ここで面白いのは、Anthropic が human review を挟まないと明言している点だと思う。普通ならそこで不安になるのに、逆にその割り切りがこのサービスの本質なのだろうとも感じた。つまりこれは「正解を届ける道具」ではなく、「調査のきっかけを大量に投げる道具」だ。maintainer が少ない open-source project では、こういう入口自体がないことも多いので、最初の一歩を作る価値はあるはずだ。
ただ、記事を読んでいて素直にうなずけなかったのは、opt-in 方式のところでもある。記事中のコメントにあったように、積極的に設定できる repo ほど恩恵を受けて、余裕のない小規模 project ほど置いていかれる可能性はある。そこはきれいごとでは済まない。supply-chain attack のことを考えると、本当に危ない場所ほど静かで、静かな場所ほど見つけにくいからだ。
それでも、AI を security に使う流れそのものはもう戻らない気がする。大事なのは「当たるか外れるか」だけではなく、外れたときに誰がどう捌くかまで含めて設計できるかだと思う。この記事を読んで、便利さより先に運用の重さを感じた。そこがむしろ正直で、少し好感も持った。
参考: Anthropic OSS Scanner Uses AI to Find Vulnerabilities in Opted-In Open-Source Projects