OpenCodeの話を読んでまず思ったのは、こういう事故は「AIエージェントだから怖い」というより、普段は安全そうに見える導線が急に実行経路に化けるのが厄介だということだった。MCP serverは外部ツールをつなぐための仕組みで、便利さの代わりに信頼境界がぐっと広がる。そのうえでOAuthのsign-in時に、サーバーが返したURLの扱いが甘いと、ただのログイン操作がコード実行につながってしまう。しかもWindowsとWSLだけというのがまた生々しい。現場では「この環境だけ別の挙動をする」ことが本当に多くて、そこにshell経由の癖が残っていると事故りやすい。
もう一つ引っかかったのは、修正されているのにCVEもadvisoryも出ていない点だった。脆弱性スキャナが気づかないというのは、運用側からするとかなり困る。バージョンを直接確認しないといけないし、依存関係の自動通知にも乗らない。セキュリティ上の問題があっても、公開のされ方ひとつで見つけにくさが全然変わるんだなと改めて思った。しかも「configured MCP serverはtrust boundaryの外」と言われると、理屈としてはわかるけれど、開発者の感覚とは少しズレる気もする。設定した時点でかなり信頼しているからだ。
あと、同種の問題がmcp-remoteでも以前にあったというくだりは、かなり嫌な既視感がある。URLをそのままshellやコマンドラインに渡す、というのは一見単純なのに、そこに文字列の扱いが一段でも雑だとすぐに壊れる。こういうのは「HTTPSなら大丈夫」では済まないのがやっかいで、まさにその通りだと思った。便利な統合機能ほど、最後はブラウザを開くとか認証するだけの細部で事故る。AIまわりのツール連携は、派手なモデルの脆弱性より、こういう地味な実装のほうが怖いのではないかと思う。