この記事を読んでまず思ったのは、Claude Code の責任者がかなり率直に「雑に使っていい場面」と「雑に使ってはいけない場面」を分けているのが、かえって現実的だということだった。AIコード生成の議論って、つい「使うか使わないか」の二択に寄りがちだけれど、実際にはそんなにきれいに割り切れない。捨てる前提の prototype と、後で何人も触る production code を同じ目線で扱えないのは当然で、そこを曖昧にしないのは好感が持てた。
一方で、読んでいて少し引っかかったのは、結局「品質の番人」を人間がやるしかない、という点がかなり強く残るところだ。AI がコードを書くほど、レビューする側の負担は軽くなるどころか、むしろ「何が混ざっているかを見抜く目」が必要になる。Cherny が挙げていた lint rules や tests、automated code reviews みたいな仕組みは、たしかに筋がいい。でもそれって、裏返すと、そういう足場を先にちゃんと作れないチームでは AI の便利さがそのまま“slop”に変わる、ということでもあると思う。
あと面白かったのは、彼の返答がかなり「モデルを信じろ」寄りなのに、同時に「次のモデルを待て」とまで言ってしまうところだった。そこには、今のAI開発がまだ未完成で、運用の工夫とモデルの進化を両輪で回すしかない、という割り切りが見える。理屈としては正しいけれど、現場の開発者からすると、毎回その“間”を埋めるのはしんどいはずだ。AIに仕事を任せるほど、人間はマネージャーっぽくなる、という感覚はかなり本質的だと思う。
参考: A developer emailed Claude Code's creator about AI slop. Boris Cherny wrote back.