これを混ぜる人は、だいたいあとで自分の首を絞める。
調べた結果のメモと、実際の修正を同じ流れで雑にやると、何を根拠に直したのか分からなくなるし、Claude Code のコンテキストも無駄に食う。調査記録を残して、修正分離する。たったそれだけで、後から見返したときの説明力がまるで違う。
Claude Code では、まず「調べるだけ」の往復を終わらせ、その内容を独立した記録として残してから、別のやり取りで修正に入るのが強い。
このやり方にすると、判断の履歴が消えにくい。ファイル整理でも文書作成でも同じだ。調査の途中でいじり始めると、いつの間にか「何を直していたのか」が溶ける。筆者は昔、原因調査のつもりで会話を続けながらそのまま修正まで頼み、どの変更が診断で、どの変更が本命か分からない差分を抱えたことがある。あとから戻すのが面倒で、かなりだるかった。
やり方は単純だ。まず Claude Code に調査だけを頼み、最後に「修正はまだしない」と釘を刺す。たとえば、こんな流れにする。
このリポジトリについて、次の点だけ調べて。
1. どのファイルが関係しているか
2. どこで問題が起きそうか
3. 直すならどの順番がよさそうか
ここでは修正しないで、調査結果だけを箇条書きで残して。
必要なら根拠になったファイル名や行番号も添えて。
このあと、調査結果をそのまま保存する。保存先は何でもいいが、後で見返しやすい場所に置くのが大事だ。たとえば notes/ や docs/ の下に、案件名ごとのメモを置く。非エンジニアなら、案件フォルダの中に 調査メモ.txt を作っておくだけでも十分役に立つ。
調査記録として、次の内容をそのまま残して。
- 問題の再現条件
- 関係しそうなファイル
- まだ確定していない仮説
- 修正に入る前に確認したい点
このメモは修正作業の指示書ではなく、調査の記録として扱う。
ここで大事なのは、調査の会話の中で「ついでに直して」と言わないことだ。ここを混ぜると一気に崩れる。調査中の仮説は、まだ仮説でしかない。そこに手を入れると、Claude Code は修正案を出しながら調査も続ける形になり、コンテキストが散る。結果として、調べた内容の抜けと、直した内容の漏れが両方増える。
筆者が一番まずいと思うのは、調査ログの中に“半分だけ直した差分”を混ぜるやり方だ。あとで見返したとき、どこまでが事実で、どこからが試行錯誤か分からない。レビューする側も困るし、自分自身が次回同じ作業をするときにも困る。調査は調査、修正は修正。ここを分けるだけで、作業の質が上がる。
実務では、次の順番にするとかなり安定する。
1. 調査フェーズ
- 原因候補を洗い出す
- 関係ファイルを特定する
- 変更方針の候補を並べる
- ここでは編集しない
2. 記録フェーズ
- 調査結果を別ファイルに保存する
- 重要な根拠を残す
- 判断が曖昧な点を明記する
3. 修正フェーズ
- 調査記録だけを見ながら、修正作業を依頼する
- 必要なら、調査で触れたファイルだけを対象にする
この分離をやると、Claude Code に渡す文脈も軽くなる。いちど調査が終わったら、次の会話では記録だけを渡せばいい。長い寄り道を引きずらないので、修正の焦点がぼけにくい。特に、ファイルが多い案件や、文章の表現を整える作業では効く。調査の雑談が混じったまま直し始めると、余計な候補までいじりたくなるからだ。
注意点もある。調査記録は「結論」だけ書くと弱い。
何を見てそう判断したか、最低限の根拠を残しておくほうがいい。たとえば、見つけたファイル名、該当箇所、再現手順の要点だ。逆に、調査の段階で完璧な修正案まで固めようとすると動きが遅くなる。そこは切り分けたほうがいい。調査記録は、後で修正に移るための地図であって、完成品ではない。
もうひとつ、調査記録と修正指示を同じファイルに並べるなら、見出しで明確に分けるといい。たとえばこんな形だ。
# 調査記録
- 問題の起点はここ
- 関係しそうなファイルはこの3つ
- まだ未確認の点はこれ
# 修正指示
- 調査記録の内容を踏まえて、最小限の変更で直す
- 調査で挙がった候補以外は触らない
こうしておくと、後から見たときに「どこで調べ終わったか」が一目で分かる。地味だが、こういう分離がいちばん効く。
Claude Code を使う場面がコード修正でなく、書類整理や文書作成でも同じだ。たとえば、長い社内文書を整える前に、まず「重複している表現」「曖昧な段落」「削る候補」を調査だけさせ、その記録を残す。そのあとで別のやり取りとして、実際の書き換えを依頼する。これだけで、なぜその修正をしたのかが追いやすくなる。
調査を混ぜない。修正に入る前に、いったん切る。
この癖がつくと、Claude Code はかなり扱いやすくなる。調査記録が残り、修正分離が徹底されるからだ。次に迷うのは、たいてい「どこを直すか」ではなく「どこまで直すか」になる。その判断も、記録があればずっと楽になる。