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長い依頼は最初に区切る:一気読み前提をやめる

長い依頼をそのまま投げて、Claude Code が途中でズレる。これ、かなりありがちな失敗だ。
依頼の分割、作業の切り分けを先に入れておくと、指示の抜けや解釈違いが目に見えて減る。しかも、やり直しが起きたときの損失も小さい。長文を一発で飲み込ませる前提そのものを捨てたほうがいい。

Claude Code は、長い文章を雑に「読んでくれる」道具ではない。作業を進める相手だ。だから、最初に区切りを入れて、何を先に理解してほしいのか、何を後回しにしていいのかをはっきりさせる。これだけで、コンテキストの浪費がかなり減る。

筆者も昔、変更したいファイルの背景説明から制約から希望する書き味まで、全部を一度に貼って失敗したことがある。返ってきた内容は間違っていないのに、欲しい順番ではなかった。結果、後半の条件を見落としたまま作業が進み、差分を戻してやり直す羽目になった。あれは完全に、依頼文を一気読み前提にしたこちらの負けだ。

やることは単純だ。最初に依頼を三つくらいに切る。
たとえば、まず「何をしたいか」を渡す。次に「触っていい範囲」を渡す。最後に「出力の形」を渡す。これだけで十分な場面は多い。

まず方針だけ確認したい。
この作業はまだ実行しなくていい。

1. 目的
- 旧資料フォルダを整理して、重複しそうなファイルを洗い出したい

2. 触っていい範囲
- Documents/Projects/2024/ 配下のみ
- ダウンロードフォルダは触らない

3. 出力してほしいもの
- まずは整理案
- 次に、削除候補の一覧
- 実行前に確認を求めてほしい

この出し方のいいところは、Claude Code に「いま何をやる段階か」を見失わせないことだ。最初から全部やらせようとすると、読む側も雑になる。人間でもそうだが、長すぎる依頼は重要な条件が埋もれる。AI でも同じだ。

実務では、依頼の分割はだいたい次の順で効く。

まず、探索。
「どのファイルを見ればいいか」「どのフォルダに対象があるか」を確認させる。ここではまだ編集させない。

次に、見積もり。
「やると何が変わるか」「危ない点は何か」「どれが削除候補か」を出させる。ファイル整理でも、文書作成でも、ここで一回止めると事故が減る。

最後に、実行。
確認が取れてから、修正・移動・削除・書き換えをさせる。ここを飛ばすと、後で痛い目を見る。

たとえば文書作成なら、こう切る。

この企画書を3段階で進めてほしい。

1. まず見出し構成だけ作る
2. 次に各見出しに入れる要点を短く箇条書きする
3. 最後に本文へ整える

いまは 1 だけ進めてください。

この頼み方だと、いきなり全文を書かせて「なんか違う」を起こしにくい。非エンジニアの用途でもかなり効く。たとえば契約書の下書き、議事録の整形、Excel から抜いたメモの清書みたいな作業は、最初に「整える前」「整えた後」を分けたほうがいい。

ファイル整理でも同じだ。重複ファイルの削除をいきなり頼むのは荒い。先に候補を出させる。
「これは消してよい」と人間が判断してから実行させる。Claude Code は便利だが、最後の判断まで丸投げする道具ではない。

重複っぽいファイルを探してほしい。
ただし、削除はしないで、候補を表にして出してほしい。

出力は次の列で:
- ファイル名
- 保存場所
- サイズ
- 似ている理由
- 手動確認が必要か

こうしておくと、あとで判断しやすい。しかも、作業の切り分けができているので、途中で対象フォルダや条件を変えたくなってもやり直しが少ない。

注意したいのは、区切りを入れるだけで何でも解決するわけではないことだ。区切りが雑だと、逆に指示が薄くなる。
「まずやって、次に考えて」みたいな曖昧な分割はだめだ。何を基準に次へ進むのかを書かないと、Claude Code は平気で解釈を補ってくる。補われると困る場面は多い。

ここで筆者がやらかしたのは、対象外のフォルダまで含めて「似た名前を片っ端から整理して」と頼んだことだ。結果、作業範囲が広がりすぎて、確認したいファイルまで混ざった。作業の切り分けができていないと、便利さより怖さが先に立つ。以後、必ず「触っていい場所」と「触らない場所」を最初に書くようにしている。

もう一つ大事なのは、長い背景説明を最初に全部置かないことだ。
背景は必要だが、先に読みたい順番で置くべきだ。Claude Code にとって必要なのは、まず目的、次に制約、そのあと詳細だ。順番が逆だと、前提の山に埋もれて核心がぼける。

目的: このフォルダを見やすく整理したい
制約: 削除はしない。移動の候補だけ出す
背景: 仕事で使う資料が増えた。年度ごとに分けたい
詳細: 2023 と 2024 の混在があり、同名ファイルもある

この形にすると、読み手にも作業の段取りが伝わる。Claude Code だけでなく、あとで自分が読み返したときも楽だ。依頼文は、実は自分用の作業メモでもある。

一歩進めるなら、最初の依頼で「返してほしい形式」まで固定しておくといい。表にしてほしいのか、差分だけ見たいのか、確認待ちにしたいのか。ここが曖昧だと、回答の見た目は整っていても、次の行動につながらない。

最初の返答では、実行せずに次の3点だけ出してください。

- 理解した目的
- 対象範囲
- 実行前に確認したい点

このやり方は地味だが強い。長い依頼ほど、最初に区切る。
一気読みを前提にすると、だいたいどこかでズレる。作業を分けて渡せば、Claude Code はかなり扱いやすくなる。使う側の頭も疲れにくい。
長文を一息で投げる癖があるなら、そこを直すだけでかなり違う。

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