正直、いちばん面白かったのは「タグがあった」ことそのものより、筆者がそこで立ち止まって自分のログを掘り返したところだと思った。LLM の話って、ついモデルが何を“言ったか”で終わりがちだけど、ここでは実際の JSONL ログを grep して確かめている。しかも「自分の環境で本当に起きたのか」を、自分の手元の記録で確認している。この姿勢はかなり気持ちよかった。
一方で、少し怖さもある。hidden tag という言い方だと、つい「裏で秘密の命令が動いていたのか」と身構えるけれど、記事を読む限り、問題の中心はもっと地味で、もっと厄介だ。内容を完全には見せず、しかもその分のコストや影響がどれくらいあるのかも外からは分かりにくい。そこがモヤっとする。<ip_reminder> という名前自体は公開文書にも出てくるのに、実際の挙動や負担は見えづらいまま、という構図が引っかかった。
あと、この人が強調している「他人の Issue の数字をそのまま自分の話にしないで、自分のログを見ろ」という態度は、かなり本質的だと思う。LLM 周りは、ベンダーの説明、Issue の報告、SNS の切り抜きが混ざって、どれが自分の環境に当てはまる話なのかすぐ曖昧になる。だからこそ、grep して数える、という単純なやり方が効く。派手さはないけれど、こういう地道な確認のほうがよほど信頼できる。
ただ、この記事を読んで「じゃあ誰でも簡単に実態が見えるのか」というと、そこは少し違う気もした。ログを読める人、JSONL を扱える人、しかも token usage まで追える人じゃないと、この見えなさには気づきにくい。つまり、問題が“無い”のではなく、“見える人にしか見えない”状態になりやすい。そこはかなり不健全ではないかと思う。


参考: I Grepped My Own Claude Code Logs and Found the Hidden Tag Anthropic Never Shows You

