雑に作業を始めると、あとでいちばん困るのは「何が途中で、何が完成か分からなくなる」ことだ。Claude Code でも同じで、一時ファイルと成果物を同じ置き場に放り込むと、差分は汚れるし、次の作業で前回のゴミまで拾う。地味だが、かなりだるい事故になる。
ここで分けたいのは単純だ。作業中だけ使う一時ファイル、最終的に残す成果物、そしてそれらを置く置き場。この3つを曖昧にしないだけで、Claude Code に頼む内容がはっきりするし、ディスク掃除も楽になる。非エンジニアでも効く。たとえば書類整理や文章作成でも、下書きと納品物を同じフォルダに混ぜると、あとで自分が混乱するだけだ。
まず、置き場を先に分ける。Claude Code に最初から「作業用」と「提出用」を別に扱わせるのがコツだ。
この作業では、次の2つを分けて扱ってください。
- 一時ファイル: 作業中だけ使う下書き、途中生成物、変換途中のファイル
- 成果物: 最後に残すファイル、提出するファイル、保存しておく完成版
ルール:
- 一時ファイルは work/ に置く
- 成果物は out/ に置く
- work/ の中身は完成品として扱わない
- out/ にだけ最終版を置く
- 既存ファイルを上書きする前に、必要ならバックアップを取る
Claude Code に実際の作業を頼むときも、こう言い切るといい。
PDF から文字起こしをして、要約を作ってください。
一時ファイルは work/ に置き、最終的な要約だけ out/summary.md に出してください。
途中の抽出結果や整形途中のテキストは out/ に置かないでください。
この分け方が効くのは、Claude Code が「今あるファイル」をかなり素直に読みにいくからだ。置き場が雑だと、前回の途中生成物や古い下書きまで拾って、余計な差分や再処理を生む。筆者は一度、画像変換の途中ファイルを成果物フォルダに残したまま次の指示を出してしまい、Claude Code がそれも素材だと勘違いして変換対象に混ぜたことがある。結果、出力が増えるだけでなく、どれが最終版か人間側でも分からなくなった。あれはひどい。
作業フォルダの考え方は、もっと雑に言っていい。完成品の棚と、作業机の引き出しを同じにするな、である。作業机には紙くずがあっていいが、棚に紙くずを入れる理由はない。Claude Code でも同じで、途中経過は作業机側、完成物は棚側に寄せる。
ファイル名も揃えるとさらに強い。日付や用途を入れておくと、あとから見て迷わない。
work/
2026-08-20_draft.txt
2026-08-20_extracted.csv
out/
report.md
cleaned-data.csv
ここで大事なのは、work/ にあるものを「消してよい」と雑に扱わないことだ。途中ファイルでも、再生成に時間がかかるものはある。だから、Claude Code には「消していいもの」と「残すべきもの」を分けて指示する。
work/ は途中生成物の置き場です。
作業が終わったら、再利用しない一時ファイルだけ削除してください。
out/ のファイルは勝手に消さないでください。
この一文があるだけで事故が減る。人間はつい「整理しておいて」と言いがちだが、その言い方は広すぎる。Claude Code は機械なので、広い命令は広く解釈する。広すぎる指示は、だいたい後で手戻りになる。筆者は最初、出力先を明示せずに「整えて」と頼み、途中ファイルを成果物フォルダに並べられて困った。見た目はきれいでも、使い物にならない。きれいと正しいは別だ。
非エンジニアの作業でも、この分離はかなり効く。たとえば契約書のたたき台を作るなら、原資料を work/、完成版を out/ に置く。あるいは請求書や見積書のテンプレートをいじるなら、編集途中の版と、送付用の版を分ける。そうしておけば、誤送信や誤提出のリスクが下がるし、後から「どれが最終版だっけ」と探す時間も減る。
少し進めるなら、Claude Code に「作業後の片付け」まで頼むといい。ただし、いきなり全部消させるのは雑すぎる。残すべき成果物を先に固定してから、他を掃除させるのが筋だ。
作業の最後に、次をしてください。
1. out/ に最終成果物だけを残す
2. work/ のうち再利用しない一時ファイルだけ削除する
3. out/ に途中生成物が混ざっていたら work/ に戻す
4. 完成版がどのファイルかを最後に一行で示す
このやり方を続けると、差分確認もかなり楽になる。成果物だけを見る場所が決まっているからだ。レビューするときに、途中ファイルのノイズを拾わなくて済む。ディスク容量の節約にもなる。とくに画像、変換ログ、抽出データみたいな一時ファイルは、気づくと場所を食う。放置すると、あっという間に肥大化する。これを毎回手で見張るのはだるい。置き場を分けておけば、まとめて掃除できる。
ただし、分けたから安心ではない。work/ に成果物を置かない、out/ に途中経過を混ぜない、というルールを崩すと一気に意味がなくなる。Claude Code への依頼文は、短くてもいいから毎回ここを固定したほうがいい。とくに複数の作業をまたぐときは、前回の癖が残りやすい。別案件のファイルが混ざると、修正のつもりが別作業を壊す。これがいちばん面倒だ。
実務で使うなら、最初にこの2行を入れておくとかなり安定する。
一時ファイルは work/、成果物は out/ に分けてください。
別作業の成果物を今回の処理に混ぜないでください。
たったこれだけでも違う。Claude Code は、曖昧な整理を人間よりも律儀に広げることがある。だからこそ、置き場を分ける。地味だが、毎回効く。雑に始めても事故りにくくなるし、後で自分が困らない。作業が増えるほど、この差ははっきり出る。最新機能を追うより先に、まずここを固めるほうが効く。仕様の細かい挙動が気になるなら、公式ドキュメント docs.claude.com も確認しておくといい。