ごちゃつく人は、だいたい最初から全部を同じ箱に入れる。Claude Code でもそれをやると、あとで自分が掘り返す段階で詰まる。案件フォルダ、整理用フォルダ、分類ルールを先に決めておくと、ファイルが散らからないだけでなく、AI に任せるときの指示もかなり通りやすくなる。
Claude Code は会話の流れで作業を進める道具だが、見えている作業場所が曖昧だと、出力の置き場も曖昧になる。すると、レポート、下書き、画像、メモ、不要な一時ファイルが同じ階層に混ざる。これは後で探すのが面倒なだけではない。差分も見づらいし、どれを残すか判断しにくい。筆者は最初、案件名だけを雑に付けて全部ひとつのフォルダに押し込んでいたが、1か月後に「どれが最終版だっけ」で普通に迷子になった。あれは地味にだるい。
やることは単純で、案件ごとにルートフォルダを切る。中は用途で分ける。これだけでいい。たとえば文章作成なら、案件ごとに input、draft、final、reference を分ける。ファイル整理なら、to_sort、keep、remove_candidate、archive のように切る。名前が大事なのは、未来の自分が見て一発で分かるからだ。無意味な略語や日付だらけの名前は、あとで自分を苦しめる。
例えば、弁護士が案件ごとに書面を作るなら、こんな形が扱いやすい。
案件A/
00_inbox/
10_reference/
20_draft/
30_final/
90_archive/
この切り方の良さは、Claude Code に渡す指示が短くなる点だ。作業場所が明確なら、「この案件の 20_draft にある文書を整えて、修正版は 30_final に置いて」と言える。逆に、全部が同じ場所にあると、「どれを触るのか」「どれを残すのか」を毎回説明しないといけない。そこで指示が長くなり、余計なコンテキストを食う。小さな話に見えて、積み重なるとかなり効く。
実際の頼み方は、最初にこう置くといい。
この案件は「案件名」というルートフォルダで管理する。
入力は 00_inbox、参照資料は 10_reference、作業中の文書は 20_draft、提出版は 30_final に置く。
今後の作業では、まず 20_draft を確認し、変更があれば 30_final に反映してほしい。
ファイル名は日付と用途が分かる形にして、勝手に別の場所へ散らさないでほしい。
非エンジニアでも、この考え方はそのまま使える。たとえば引っ越し準備なら、書類、写真、捨てる候補、持っていく を分ける。契約書や保険の控えが写真と混ざると、あとで必要書類だけ見つけるのが面倒になる。Claude Code に「このフォルダの中を整理して、重複や不要ファイルの候補を分けて」と頼むなら、最初から分類ルールを決めておいたほうが早い。
分類ルールは、細かすぎるほどいいわけではない。ここをやりすぎると逆に詰まる。フォルダを増やしすぎると、今度は自分でどこに入れたか分からなくなるからだ。筆者は一度、用途別にきっちり分けすぎて、draft_v2_final_fix みたいな終わっている名前を量産したことがある。あれは整理ではなく、ただの先送りだ。フォルダ名は少なく、役割は明快、が正解である。
迷ったら、次の基準で切ると破綻しにくい。
1. 入れる理由が違うものは別フォルダにする
2. 1つのフォルダに入れたあと、次にやることが違うなら分ける
3. 3階層以上深くしない
4. 名前だけで中身が想像できない略語は使わない
この運用で地味に効くのが、作業前に「この案件の置き場」を先に宣言することだ。Claude Code は、何をどこに置くかが決まっている作業に強い。逆に、「とりあえず見て整えて」で始めると、出力先がぶれやすい。フォルダ構成は人間のためだけでなく、AI に「この範囲だけやればいい」と伝える境界線にもなる。
もうひとつ大事なのは、案件ごとのルートフォルダ名を固定することだ。案件名の付け方が毎回バラバラだと、検索でも迷う。たとえば 2024-案件A、案件A_2024、A社見積 が混在していると、同じ案件でも一覧にまとまらない。名前の型を決めるだけで、後から探す速度がかなり変わる。日付を入れるなら先頭に寄せる、案件名は必ず同じ表記にする、余計な装飾を足さない。これで十分だ。
Claude Code に任せるときは、フォルダのルールを指示文に埋め込んでしまうのが手っ取り早い。
この作業では、案件ルートを「案件名_YYYYMMDD」とする。
中は「00_inbox」「10_reference」「20_work」「30_output」「90_archive」で統一する。
新しいファイルは用途に応じて必ず振り分ける。
不明なものは 00_inbox に残し、勝手に削除しないでほしい。
ここで削除を雑に頼むのは危ない。Claude Code は整理を手伝えるが、不要かどうかの判断は人間の確認が要る場面が多い。特に書類や写真、契約関係のファイルはそうだ。最初から remove_candidate のような保留置き場を作っておけば、消す前に目視できる。これがあるだけで事故が減る。
案件ごとに分ける運用は、単なる整頓術ではない。後から探しやすくするだけでなく、作業の迷いを減らす設計だ。Claude Code に「どこを触るか」「どこへ置くか」を理解させる土台になる。ディレクトリが整理されていると、差分も見やすいし、失敗しても戻しやすい。
最初から完璧を狙う必要はない。まずは案件ルートをひとつ作り、用途ごとに3〜5個の箱へ分ける。それだけで十分に効く。そこから必要が出たら、ひとつずつ増やせばいい。雑に全部を同じ場所へ置くより、よほど長持ちする運用になる。