最初に思ったのは、「これ、便利だけど境界がかなり繊細だな」ということだった。
Claude Code が別のセッションへメッセージを飛ばせる、という発想自体はわかりやすい。長い migration を別端末で回していて、片方で見つけたことをもう片方に渡したい。並列で worktree を触っていると、いちいち人間がコピペで中継するのは正直つらい。そこを AI 同士でつなぐのはかなり筋がいいと思う。
ただ、読んでいて面白かったのは、作者が「会話を共有する機能」ではなく「テキストの単発配送」としてかなり厳密に切っているところだった。履歴もファイルも渡さない。あくまで一文のメッセージだけ。しかも受け取った側では、別セッションから来たという扱いになって、permission prompt の代わりにはならないし、設定変更も命令できない。ここはかなり重要で、便利さを足しつつも「他人の承認を勝手に流用しない」線を引いている。雑に作るとすぐ危ない機能だから、こういう制限はむしろ安心材料だと思った。
もう一つ引っかかったのは、同じ「メッセージ」と言っても、ローカルでは直接 socket で飛ぶのに、別マシンや web だと Anthropic のサーバーを経由してしか返せない、という非対称さだ。ローカル同士は双方向に見えて、クロスマシンは返信だけ。しかも reply address がないケースでは返せない。ここは UX 的には少しややこしいが、逆に言うと“どこまで自律的に会話させるか”をネットワーク境界で分けているわけで、設計としてはかなり誠実だと思う。
便利さの顔をしながら、実は「これはセッション間の最小限の連絡網です」と言っている感じがする。
参考: Claude Code Docs - Message your other Claude Code sessions