記事を読んでまず思ったのは、「ツールを呼べる」ことと「適切なツールを見つけられる」ことは、やっぱり別問題なんだな、ということだった。MCPは前者をかなりうまく整えたけれど、後者までは面倒を見きれていない。言われてみれば当たり前なのに、そこが抜けると実運用ではかなり苦しい。
特に引っかかったのは、ARDをAWSがDNSになぞらえている点だ。DNSは、インターネットの裏側で「名前を引けば場所が分かる」状態を作った。もしagentの世界でも同じように、「この仕事に合うtoolはどこにあるのか」を横断的に探せる仕組みが必要なら、たしかに registry の上にさらに discovery layer が要る。MCPだけで完結すると思っていたなら、少し見通しが楽観的だったのかもしれない。
一方で、こういう新しいspecが増えるたびに、今度はspec同士の関係がまた複雑になるのでは、という不安もある。toolの呼び出し規格、登録の規格、発見の規格……と積み上がっていくと、標準化したはずなのに現場はむしろ覚えることが増える、みたいなことが起きかねない。そこを本当にシンプルにできるのかは、まだ半信半疑だ。
ただ、agentが実務に入るなら「どのtoolを使うかを人が毎回教える」状態は長く続かないと思う。だから、MCPに足りなかったものを埋めようとする動き自体はかなり筋がいい。発想としては、toolの世界に“検索可能性”を持ち込もうとしているわけで、そこは素直に面白い。
参考: MCP was supposed to solve the agent tooling problem. It missed a step.