TechCrunchの記事の主張はかなりシンプルです。
「Google検索が、もはや昔のGoogleではなくなってきた」という話。
Googleは2026年のI/Oで、検索をAI中心に大きく刷新すると発表しました。
これまでのようにキーワードを打って結果一覧を眺めるのではなく、最初からAI modeを使えたり、通常検索でもAI Overviews(検索結果の上に出るAI要約)が表示されたり、さらにその要約に対してチャットで追加質問までできるようになります。
要するに、Google検索がだんだんChatGPTっぽくなっている、ということです。
これ、便利そうに聞こえる一方で、TechCrunchが書いているように、ユーザーの反応はそこまで好意的ではありません。
「またAIか」「検索したいだけなのに、なんで毎回チャットに連れていかれるの?」という空気、たしかにあります。私もこれはかなり分かります。検索って本来、すばやく答えにたどり着くための道具だったはずで、会話を始めたいわけじゃない場面も多いんですよね。
しかもGoogleは、AI Overviewsの初期の失敗でもかなり印象を落としました。記事では、過去に「太陽を見ろ」みたいな危ない誤回答が話題になった件にも触れています。こういうことがあると、ユーザーが「またか」と身構えるのは自然だと思います。
さらに背景として、Googleは検索市場で巨大すぎる存在でもあります。2024年には、米国の裁判所がGoogleの独占維持を違法と判断しました。
つまり、「AIが嫌だから別の検索を使いたい」だけでなく、「そもそもGoogle一強すぎるでしょ」という気分の人も増えているわけです。
この記事では、Google以外の選択肢として以下のサービスを紹介しています。
それぞれ思想がかなり違うので、単に「Googleの代わり」ではなく、検索との付き合い方そのものを変える候補として見ると面白いです。

Kagiは、広告なし・AI Overviewsなしの有料検索エンジンです。
料金は月5ドル、または無制限検索で月10ドル。
Googleは広告で稼ぐモデルなので、検索体験に広告が入り込みます。
一方Kagiは、その前提をひっくり返して「お金を払う代わりに、広告なしの検索体験を提供する」という発想です。
ここで面白いのは、Kagiが単なる“Googleの広告抜き版”ではないこと。
検索結果を自分好みに調整できるlensesという仕組みがあり、たとえば学術系の検索をしたいならacademic lensを使って、ブログ記事より論文やジャーナル寄りの結果を探せます。
さらに、AI要約が欲しい人向けにはQuick Answerもあります。ただし、生成を強制されるわけではなく、必要なときだけ使える。
この「使いたい人だけ使える」が重要で、かなり健全だと思います。
DuckDuckGoは無料で使える検索エンジンです。
Googleと違い、検索履歴や閲覧履歴、購入履歴などをもとにユーザーを追いかけ回すようなデータ収集をしないのが売りです。
広告は出ますが、検索語句のテーマに応じて出す広告を決めるので、Googleほど“個人に最適化された追跡広告”ではありません。
たとえばコンサートのチケットを検索したら、SeatGeekの広告が出る、といった具合です。
また、Googleに似た見た目を持ちながらも、AI生成の回答が出ることがあります。
ただし、設定からAI機能を完全にオフにできます。ここはかなり大事です。
「AIを使うかどうかは自分で決めたい」という人には、わりと素直におすすめしやすい選択肢だと思います。
Startpageは、Googleの検索結果を匿名で使うための“中継役”みたいなサービスです。
これがちょっと面白い。
仕組みとしては、StartpageがあなたのIPアドレスなどの個人情報を取り除いてからGoogleに検索を投げ、結果だけを返してくれます。
つまり、Googleの検索結果は使いたいけど、Googleに自分を知られたくないという人向けです。
ただし、冷静に言うと「結局Googleの検索結果なんだよね」という弱点はあります。
とはいえ、Googleの精度に頼りつつプライバシーを少し守りたいなら、かなり現実的な落としどころです。
もちろんAI機能はオフにできます。
これは名前からしてクセが強いですが、かなり面白いです。
&udm=14は、Google検索のURLに付ける文字列をそのまま名前にした検索サービスです。
何をするかというと、Google検索結果をAI Overviewなしで表示してくれます。
本来なら検索するたびに手作業でURLにパラメータを足さないといけないのですが、それを自動化してくれるのがこのサービスです。
要するに、「Googleは使う。でもAI要約はいらない」という人のための小ワザ集みたいな存在です。
開発者はGitHubでコードも公開していて、自分で動かすこともできるそうです。
プライバシー重視ならStartpageの方が筋がいいですが、
「とにかく普段のGoogle検索を、できるだけ昔っぽく戻したい」という気持ちには、かなり刺さると思います。
Braveはブラウザと検索エンジンの両方を提供しています。
しかもChromiumベースなので、Chromeの拡張機能がそのまま使えるのも便利です。
「Chromeは使いたくない、でも拡張機能は捨てられない」という人には、かなり現実的な選択肢です。
検索面では、Gogglesという第三者が作ったルールを使って検索結果を調整できます。
たとえば:
などがあります。
これ、検索結果の“見え方”を変えられるのが面白いです。
同じ検索でも、どんな情報源を優先するかで世界の見え方はかなり変わります。
検索結果の並び順が、実はかなり思想を持っていることがよく分かります。
もちろん、AI機能はオン・オフできます。
記事の軽いツッコミどころとしては、ここでも「Googleにもそれくらい自由度をくれよ」という感じですね。
Ecosiaもブラウザと検索エンジンの両方を持っています。
こちらもChromiumベースなので、Chrome拡張機能が使えるはずです。

Ecosiaの特徴は、なんといっても環境寄りであること。
広告収入を得ながら、その約80%を植樹活動に寄付しています。
もちろん、植樹は見せ方次第ではgreenwashing(環境配慮っぽく見せるだけ)と疑われがちです。
でも記事では、Ecosiaは現地コミュニティと協力し、月次の財務報告を公開し、実際の成果もブログで発信していると紹介されています。
こういう透明性はかなり大事です。
「いいことをしている企業です」と言うだけでなく、何にいくら使ったのかを見せるのは、信頼を作るうえで強いですね。
このTechCrunch記事、単に代替検索エンジンを並べただけではありません。
本質的には、検索エンジンに何を求めるかが、昔よりずっと分岐していることを示しているのが面白いです。
昔は、検索といえば「速い・多い・賢い」が正義でした。
でも今はそれだけじゃなくて、
みたいに、価値観の違いがそのまま選択肢に出てきています。
個人的には、これはかなり健全な流れだと思います。
検索が“空気のようなもの”だった時代から、自分で選ぶものになってきた。
Google一択だった時代が終わる、というより、Googleがあまりにも多機能で重くなりすぎて、軽い別ルートを探す人が増えた、という見方の方がしっくりきます。
ざっくり言うと、こんな感じです。
もちろん、完璧な検索エンジンはありません。
でも、Googleがどんどん“AIアシスタント兼検索窓”になっていくなら、ユーザーが別の場所を探し始めるのは自然な反応です。
検索って、毎日使うのに意外と「慣れ」で選んでしまう道具です。
だからこそ、たまにはこういう代替案を試してみると、「自分は検索に何を求めていたのか」が見えてくると思います。
それ自体が、ちょっとした発見であり、わりと楽しい体験でもあります。
参考: Six search engines worth trying now that Google isn’t really Google anymore | TechCrunch