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作業ログから、迷った地点だけを次回の依頼テンプレに戻す

作業ログを全部テンプレに戻すのは、だいたい雑だ。しかも重い。次回に残すべきなのは「うまくいった手順」より、むしろ「そこで迷った」「判断に時間がかかった」「指示があいまいで手戻りした」地点だけである。ここを戻すと、ログの再利用、失敗の抽出、テンプレ改善が一気に実用になる。

Claude Code は、毎回の依頼をきれいに書き直す道具というより、作業の癖を次に持ち越す道具として使うほうが強い。特に、ファイル整理や文書作成みたいな用途では、毎回の作業で同じ迷いが出る。どのフォルダを触ったか、どの表現で止まったか、どこで差し戻されたか。そこだけ拾って次回の依頼テンプレに戻せば、無駄な説明が減るし、Claude Code のコンテキストも食いにくくなる。

最初に大事な線引きをしておく。戻すのは「成果物の全文」ではない。戻すのは「次回も迷う可能性が高い一文」だけだ。ここを間違えると、テンプレが日記になる。日記は読めるが、指示としては弱い。

たとえば、前回の作業ログがこんな形で残っていたとする。

- 依頼: 請求書フォルダの重複を整理
- 迷った点: 「2023_final」「2023_最新版」「2023_確定」の扱いを確認した
- 迷った点: 先に削除せず、重複候補を一覧に出してから判断する流れにした
- 失敗: いきなり削除対象を確定しようとして、差し戻しが出た
- 次回に残す: 削除前に必ず一覧化して、判断待ちを挟む

この程度でいい。むしろこれくらいで十分だ。全部の手順を転記すると、次回の依頼文が長くなりすぎる。Claude Code は長い入力を読めるが、長ければ偉いわけではない。要点が埋もれるほうが痛い。

実際の回し方は単純だ。まず、作業中のメモやログを残す。ここは箇条書きで構わない。あとで見返したときに、「何で止まったか」が追える粒度にしておく。次に、作業が終わった時点で、そのログから迷いの発生源だけ抜く。最後に、その抜いた部分だけを次回の依頼テンプレに貼る。

Claude Code に対しては、こんな聞き方が使いやすい。

この作業ログから、次回の依頼テンプレに戻すべき「迷った地点」だけを抜いてください。
抜く条件は次のとおりです。
- 判断に時間がかかった箇所
- 指示があいまいで手戻りした箇所
- 例外対応が必要だった箇所
- 次回も同じミスをしやすい箇所

成果物の手順は要りません。
ログの全文も要りません。
テンプレに入れる短い文だけを、3〜7項目で出してください。

この頼み方のいいところは、Claude Code に「何を捨てるか」まで伝えている点だ。失敗ログをそのまま要約させると、うまい話だけが残りやすい。だが、次回に必要なのは成功談ではなく、迷いの再発防止だ。そこをはっきり言う。

さらに一歩進めるなら、テンプレの枠を先に決めておくといい。たとえば、毎回の依頼文を「目的」「対象」「避けること」「迷いやすい点」に分ける。すると、作業ログから拾う場所も決まる。

次回の依頼テンプレは次の4枠で使います。
1. 目的
2. 対象
3. 避けること
4. 迷いやすい点

以下の作業ログから、4の「迷いやすい点」にだけ入れる文を作ってください。
文は短く、命令形か注意書きに寄せてください。

この型にしておくと、テンプレ改善がやりやすい。あいまいな一文を、次回は注意書きとして固定できるからだ。たとえば「削除前に一覧を出す」「名称が似ているファイルは保留にする」「章立てが複数ある文書は、先に見出しだけ整理する」みたいな文に落とし込める。

筆者は以前、作業ログをそのまま全部テンプレに混ぜて痛い目を見た。結果として、依頼文がどんどん肥大化した。しかも、毎回違う案件の細部まで持ち込んだせいで、Claude Code が読むべき前提がぼやけた。たとえば、前回の例外対応を次回の標準手順みたいに書いてしまい、不要な確認が増えた。あれはだるい。以後は「迷った点だけ」「次回も再発しそうな点だけ」に絞るようにした。

もうひとつ、やりがちな失敗がある。ログに残す文を、説明としてきれいに書きすぎることだ。これは見栄えはいいが、次回のテンプレには弱い。たとえば、

今回の作業では、さまざまな事情を考慮したうえで慎重に判断を行った

こんな文は何も役に立たない。代わりに、

判断に迷う箇所は、先に保留扱いにして一覧化する

ここまで切る。テンプレは文学ではない。次回の自分が読んで、すぐ動ける文が正しい。

ファイル整理やディスク削減で使うなら、迷った地点はかなり具体的になる。たとえば「拡張子が同じでも中身が違う」「日付だけで削除しない」「キャッシュらしきものを見つけても、アプリ名を確認してから触る」といった注意が毎回出る。文書作成なら、「最初に見出し構成を固める」「用語を揺らさない」「表現の統一を最後にまとめてやる」みたいな地点が残る。こういうのは、毎回の作業を終えた瞬間に残しておくと強い。

ログの再利用をちゃんと回すコツは、あとから反省することではなく、作業の終わりに1分だけ拾うことだ。終わってから記憶で書くと、だいたい大事な迷いが抜ける。だから、作業中に短いメモを残し、終了時に Claude Code に「次回テンプレに戻す文だけ」に整形させる。これで十分に回る。

もしテンプレがすでにあるなら、毎回の更新は全部入れ替えないほうがいい。1回の作業で戻すのは1〜3点、多くても5点くらいで止める。入れすぎると、テンプレが古い注意書きの寄せ集めになる。テンプレ改善は、増やすより削るほうが効く。必要な迷いだけ残し、不要になった注意は消す。これがいちばん地味で、いちばん効く。

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