調べっぱなしで終わると、Claude Code は平気で長文を抱えたまま次の仕事に入る。そこが雑だと、あとで「あれ、さっき何を見つけたんだっけ」となる。
そこで使うのが、その場で短くまとめさせてから次の指示に渡すやり方だ。調査サマリ、中間要約、引き継ぎメモ、と呼び方は何でもいいが、やることは同じである。見つけた事実だけを短く圧縮して、次の判断材料に変える。
これが効くのは、Claude Code が「長い調査結果」をそのまま抱え込むと、肝心の次の作業に使うコンテキストがじわじわ削られるからだ。特に、複数ファイルを見たり、候補を比較したり、不要ファイルの洗い出しをしたあとに、そのまま編集へ入る流れは危ない。筆者は最初、調べた内容を全部貼って「これで直して」と投げて、要点がぼやけたまま手戻りした。長文を読ませるより、要点を切って渡したほうが速い。これはかなりはっきりしている。
やり方は単純だ。まず調べさせる。次に、調査結果を短く要約させる。最後に、その要約だけを使って次の指示を出す。
たとえば、重複ファイルや大きすぎるファイルを見て、削除候補を絞りたいなら、こう頼む。
このフォルダを調べて、削除候補になりそうなものを見つけてください。
そのあと、見つけた内容を次の作業に渡せるように、5行以内で短く要約してください。
要約には、確実に削除候補と言えるもの、迷うもの、追加確認が必要なものを分けて書いてください。
ここで大事なのは、「要約してください」だけで終わらせないことだ。何を残し、何を切るかを先に決めておく。そうしないと、ただの言い換えになる。中間要約は、長い文章を縮める作業ではない。次の判断に使える形へ整える作業だ。
コードや文書の調査でも同じである。たとえばリポジトリを見て、修正対象を洗い出したあとに、そのまま実装へ進みたいなら、こうする。
まず、変更が必要そうな箇所を確認してください。
確認が終わったら、次の指示に渡すための引き継ぎメモを作ってください。
条件:
- 3〜6点に絞る
- ファイル名と理由を入れる
- 未確認の点は未確認と明記する
- 余計な説明は入れない
この「未確認の点を未確認と書かせる」のが地味に効く。調べた気になっているだけの箇所を、後工程で事実みたいに扱う事故を防げるからだ。Claude Code は筋のいい要約を返すことが多いが、曖昧な依頼をすると曖昧な要約も返す。そこは人間が締めるしかない。
実務では、要約の長さを先に決めると安定する。おすすめは、次のどれかだ。
3行で要約してください。
箇条書きで4点までにしてください。
次の作業者が読んで困らない粒度で、短くまとめてください。
ただし、「短く」とだけ書くのは弱い。短いだけで、使えない要約になることがある。だから、要約の役割を言うほうがいい。たとえば「次の指示にそのまま貼れる引き継ぎメモとして」「比較結果の差分だけ」「削除判断に必要な事実だけ」と指定する。これで出力の向きがそろう。
失敗しやすいのは、要約の前に余計な材料を入れすぎることだ。調査結果、途中メモ、雑談、仮説を全部混ぜてしまうと、要約も混線する。筆者も一度、長い調査ログを丸ごと渡してから要約を求め、結局「何が確定で、何が推測か」が曖昧なままになった。調査サマリは、材料が整理されていてこそ意味がある。
なので、流れはこう切るといい。
1. このフォルダ内の不要候補を洗い出す
2. その結果を5行で調査サマリにする
3. そのサマリだけを使って、削除してよいものと保留すべきものを分ける
この順番だと、次の指示に渡る情報が締まる。サマリを挟むだけで、会話がだらだら長引きにくくなる。しかも、後から見返したときに「何を根拠にその判断をしたか」が追いやすい。
少し進めるなら、要約の形式を固定してしまうのも手だ。毎回ばらつくと扱いにくいからだ。たとえばこんな形である。
以下の形式で中間要約を作成してください。
- 確定した事実:
- まだ不明な点:
- 次にやること:
- 注意点:
この形は、非エンジニアの用途でもかなり使いやすい。たとえば、散らかった文書フォルダを見て「どれを残して、どれをまとめるか」を考えるとき、確定事項と未確認事項が分かれているだけで迷い方が変わる。弁護士が案件フォルダを整理する、編集者が原稿差分を追う、経理担当が重複資料を見比べる。そういう場面では、長い説明より、この手の引き継ぎメモのほうが効く。
注意したいのは、要約を「新しい判断」までやらせすぎないことだ。要約はあくまで圧縮であって、勝手な結論ではない。たとえば「削除してよい」と断言させるなら、その根拠になる確認も一緒に取る必要がある。中途半端な調査で断定させると、後で痛い目を見る。ここは慎重にいくべきだ。
もう一つ、長い調査を何度もやるなら、要約を毎回その場で作らせて、会話の途中に挟むのがいい。最後にまとめて要約させるより、段階ごとに短く切ったほうが情報が流れにくい。特に、複数の候補を比較しているときは、各候補ごとの短いメモを残してから次に進むほうが強い。
使いどころははっきりしている。調べる、縮める、次に渡す。この三段を雑にやらないことだ。
長い調査を長いまま抱えない。短い調査サマリにして、引き継ぎメモとして渡す。これだけで Claude Code はずっと扱いやすくなる。仕様確認や細かい振る舞いは、必要なら公式ドキュメント docs.claude.com で確認しておけばいい。