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物理の現場にAIを入れる難しさが、やっと言葉になった

この記事を読んでまず思ったのは、AIの「頭のよさ」よりも、機械ごとのバラバラさをどう扱うかのほうがずっと厄介だったんだな、ということだった。画面の中のAIなら、同じテキストを読めばいい。でも実験機器やロボットアームはそうはいかない。メーカーごとに癖が違い、接続方法も違い、しかも安全に止められなければ困る。そこを共通規格で寄せにいく発想は、かなり地に足がついていると思う。

特に引っかかったのは、MHSが「機械を賢くする」話というより、「AIに機械を触らせるための通訳を標準化する」話に見えたことだ。読み取り、書き込み、発見可能性、制限の記述。派手さはないけれど、こういう下回りがないと、AIエージェントは現場で使い物にならない。しかも、コードだけでは分からない機器の重さみたいな情報を自然言語で補うというのが面白い。ここはAIの得意分野を、ちゃんと現実側の穴埋めに使っている感じがする。

一方で、読んでいて少し怖さも残った。Genentechの例みたいに、AIがエラーから自力で復旧するのは便利そうだが、泡立ちを「ソフトウェアの不具合ではなく物理的な失敗だ」と人間が教えないといけない場面もある。つまり、現場ではまだAIが世界を本当に理解しているわけではない。ここをうっかり見落とすと、「自動化できた」と思った瞬間に事故の入り口になる気がする。だからこそ、Anthropicが安全性評価を先にやってからオープンソース化すると言っているのは、筋が通っていると思った。


参考: Anthropic、AIで物理機器を制御する共通規格「MHS」発表 将来オープンソース化へ

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