PaPoo
cover
technews
Author
technews
世界の技術ニュースをリアルタイムでキャッチし、日本語でわかりやすく発信。AI・半導体・スタートアップから規制動向まで、グローバルテックシーンの「今」をお届けします。

Gemini Intelligenceは意外と厳しい? Androidの新AI機能が“全員向け”ではなさそうな話

Googleが発表した新しいAIプラットフォーム「Gemini Intelligence」が、Android界隈でかなり話題になっています。
名前だけ聞くと、いかにも“次の主役”という雰囲気がありますよね。Android端末上で動く、より高度なAI機能群――そんな期待を背負って登場したわけですが、Digital Trendsの記事が伝えているのは、ちょっと意外な現実です。

この機能、誰でも使えるわけではない。しかも、かなり選別が厳しい。​
ここがまず面白いところです。AI機能って最近は「新しいスマホならだいたい使えるでしょ」と思いがちですが、Gemini Intelligenceはそう単純ではありません。むしろ、ハードウェアとソフトウェアの両方に強い条件を課していて、かなり“本気の端末専用”という印象です。

Gemini Intelligenceの主な条件

記事によると、Gemini Intelligenceを動かすには、少なくとも次の条件が必要です。

image_0001.jpg

ここで特に重要なのは、​単に速いCPUがあればいいわけではない、という点です。
AI機能は「処理能力」だけでなく、「AIを端末内で効率よく動かす仕組み」も必要になります。AI Coreはそのための基盤のようなもので、Gemini NanoはGoogleの端末内AIモデルです。ざっくり言うと、​クラウドに送らずスマホの中でAI処理をするための土台ですね。

個人的には、ここまで条件を細かく絞るのはかなりGoogleらしいなと思います。
というのも、AI機能を雑に広げると「動く端末」と「動かない端末」の差が激しくなって、体験の品質がバラつきます。Googleはそれを避けたいのかもしれません。とはいえ、ユーザー目線では「え、これでもダメなの?」となりやすい。そこはなかなかシビアです。

しかも“最新の高級機”でも落ちる可能性がある

記事で特に驚きなのは、​Pixel 9シリーズやSamsung Galaxy Z Fold 7が、現時点では条件を満たさない可能性があるという点です。
理由は、これらの端末がまだ Gemini Nano v2 を使っているからだと報じられています。

これ、かなり意外ですよね。
「最新のPixelなのにダメなの?」と思う人は多いはずです。私もここは引っかかりました。普通、こういうAI新機能は“まず最新フラッグシップから”広がるイメージがあります。でも今回は、単に新しいだけでは足りない。​新しい中でも、さらに条件を満たしたものだけが対象になっているわけです。

image_0002.webp

つまり、スマホ選びの世界がまた少し変わってきています。
これまでの「カメラがいい」「電池が長持ちする」に加えて、今後は​「AIを本体内でどこまで動かせるか」​が重要な評価軸になっていくのかもしれません。

ソフト更新の条件もかなり厳しい

Gemini Intelligenceの条件は、ハードだけでは終わりません。
Googleは、少なくとも以下も求めているとされています。

要するに、​長く安心して使える端末であることも条件にしているわけです。
これは一見すると親切です。短命な端末に最新AIを載せても、すぐサポート切れになったら困りますからね。

ただ、裏を返すと、メーカー側への要求はかなり重いです。
RAMをたくさん積み、AI向けの設計をして、さらに長期サポートも約束する。これはコストがかかるはずです。なので今後のAndroid端末は、単に「高性能」なだけでなく、​AI機能を前提にした設計が当たり前になっていくのではないかと思います。

image_0004.jpeg

12GB RAMの要求は、Googleの本気度を示していそう

記事の中で地味に重要なのが、​最低12GB RAMという条件です。
これはかなり強気です。

スマホのRAMは、いわば「作業机の広さ」です。
多ければ多いほど、アプリを複数開いても余裕が出ますし、AIのような重い処理も扱いやすくなります。とはいえ、スマホの世界では8GBでも“十分多い”と感じる人はまだ多いでしょう。そこに12GB以上を求めるのは、Googleがかなり本格的なオンデバイスAIを想定している証拠かもしれません。

記事では、​Pixel 11のベースモデルが8GB RAMになるという噂もあると触れています。
もしその噂が本当なら、Gemini Intelligenceの要件とは少し噛み合いません。だからこそ、この記事は「そのリーク情報、全体像を見ていないのでは?」という見方を示しているわけです。

ここはなかなか興味深いです。
Googleが自社のフラッグシップに、AI機能を前面に出しながらRAMを抑えるのは、たしかに少し変です。もちろん、まだ何も確定していないので断言はできません。でも、​AIを売りにするなら、メモリをけちるのは筋が悪い、というのが率直な感想です。

image_0005.jpg

それでも「完全に除外」とは言い切れない

とはいえ、話はまだ完全には固まっていません。
記事によれば、Googleのドキュメントは Gemini NanoのPrompt API への対応を明記しているものの、古い端末が完全に永久除外されるとまでは断定していないようです。

つまり、現時点ではまだ

といった可能性がゼロではない、ということです。

この「まだ少し曖昧」という感じ、いかにも新しいAI機能の初期段階らしいですね。
新製品の発表直後は、どうしても仕様が流動的です。しかもAI関連はソフトとサーバーの組み合わせで変わることも多いので、後から対象端末が広がるケースもありえます。なので、今「ダメ」と見えていても、数か月後には状況が変わるかもしれません。

image_0006.jpg

まずはPixelとGalaxyへ、その後に広がる見込み

Googleは、​Gemini IntelligenceをまずPixelとSamsung Galaxy端末に今年後半から導入するとしています。
この流れを見ると、やはり最初は限られた上位機種からスタートするのでしょう。

ただ、ここで重要なのは、「Android全体に一気に配る機能」ではないということです。
最近のGoogleはAIをかなり前面に押し出していますが、全部の端末に同じように降りてくるわけではない。ここは、昔ながらのAndroidの“機種差”がそのままAI時代にも持ち込まれている感じがします。

個人的には、これは少しもったいない一方で、現実的でもあると思います。
全端末対応を目指すと体験が崩れやすいですし、端末内AIは特に性能差が出やすいですからね。とはいえ、ユーザーとしては「AI機能が使えないなら、結局どのスマホを買えばいいの?」という悩みも増えそうです。

まとめると、これは“AIの贅沢仕様”の話

image_0007.jpg

Gemini Intelligenceは、Googleが本気で作る次世代AI機能のひとつですが、​条件はかなり厳しめです。
しかも、その条件のせいで最新の高級機ですら弾かれる可能性がある。ここがこのニュースのいちばんのポイントでしょう。

要するに、これは「Androidならみんな使えるAI」ではなく、
“AIをちゃんと動かせるハイエンド端末だけの特権” に近い話です。

今後、スマホの売り文句は「カメラがすごい」から「AIがちゃんと動く」に移っていくかもしれません。
その最初のハードルが、いきなりこんなに高い。これは面白いし、同時にかなり厳しい流れだな、と感じます。


参考: Gemini Intelligence has strict requirements, and your phone may not qualify

同じ著者の記事