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files.mdは「メモをためる」より「考える」ためのシンプルなMarkdownアプリ

キーポイント

まず、このツールは何なのか

GitHubで公開されている files.md は、ひとことで言うと、​Markdownファイルを中心にした、静かで個人用の思考スペースです。
READMEの冒頭には、Private, quiet space for thinking とありました。つまり「派手な情報管理ツール」ではなく、​考えるための場所として設計されているわけです。

最近のノートアプリは、タグ、リンク、グラフ表示、テンプレート、プラグイン、AI補助……と、どんどん豪華になっています。
それはそれで楽しいし、便利でもあります。私も正直、ああいう“全部入り”にはワクワクします。
でも files.md は、その流れに逆らうように、​必要最小限を選んでいるのが面白いところです。

何ができるのか

このアプリでは、次のようなものを .md ファイルとして管理できます。

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しかも、​plain .md files、つまり普通のテキストに近い形で扱います。
ここが重要です。専用のデータベースや複雑な独自形式ではなく、​ただのファイルとして持てる。
この「ただのファイル」が、実はかなり強い。将来アプリがなくなっても、ファイル自体は残るからです。

READMEでは、これを「Own your data as plain local files」「Own the software that opens those files」と表現しています。
要するに、​データも、そのデータを開く道具も、自分の手元に置こうという思想ですね。

いちばんの特徴は local-first と privacy

このツールは local-first です。
これは「まず自分の端末にデータがある」という考え方で、クラウドに全部預けるのとは逆です。

READMEには、​files don't leave your device、つまり「ファイルは端末の外に出ない」とあります。
さらに no data is sent to server とも書かれていて、プライバシー面をかなり強く意識しているのがわかります。

個人的には、この方向性はかなり好感が持てます。
というのも、メモって本来かなり私的なものだからです。下書きの愚痴、未完成の考え、仕事のメモ、ちょっとした不安。そういうものが全部クラウドに吸い上げられるのが気になる人は多いはずです。
files.md は、その「気になる」をちゃんと解消しようとしているように見えます。

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あえてシンプルにしているのが面白い

READMEには、こんな特徴が並んでいます。

この「機能を足すより、制約で考える」という姿勢が、かなりユニークです。
普通は「制約があると不便」と思いがちですが、作者は逆に、​制約が創造性を生むと考えているようです。

これはけっこう本質的だと思います。
道具が複雑すぎると、考える前に設定で疲れてしまう。
でも、シンプルだと「どう使うか」を自分で考える必要がある。そこから思考が深まる、というわけです。

「1つのメモに1つのアイデア」がキモ

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READMEの中で特に印象的なのが、ノートの使い方の哲学です。

これ、かなりストイックです。
フォルダを綺麗に分けたり、タグを整理したりすること自体が目的化しがちな人には、かなり刺さる考え方ではないでしょうか。

私の感想を言うと、これは「メモを貯めるシステム」ではなく、​メモを使って思考を鍛える練習法に近いです。
つまり、ノートは保管庫ではなく、頭の外に置いた“思考の部品”なんですね。

Deep thinking をどうやって作るのか

READMEには、作者自身の使い方として、脳のことやソフトウェア開発のことを files.md で育てた話が載っています。

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たとえば、

  1. braindev のフォルダに新しいメモを追加する
  2. 1メモ1アイデアで書く
  3. 関連するメモ同士をリンクする
  4. ノートを行き来しながら考える
  5. あるとき、異なる分野のメモ同士がつながって見える
  6. そこから新しい洞察が生まれる
  7. その洞察をもとに記事を書く

という流れです。

これが面白いのは、​知識を集めることより、知識同士をぶつけることを重視している点です。
いまの時代、情報は無限にあります。でも、本当に難しいのは「知っていることをどうつなぐか」なんですよね。
READMEの言い方を借りれば、知識は「everything is connected」。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、実際、アイデアって単体では弱くても、別のアイデアとつながると急に強くなることがあります。

Second Brain へのちょっとした反省

READMEでは、Second Brain への距離感も興味深いです。

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ここで言う Second Brain は、要するに自分の脳の外に作る整理システムのこと。
ノートアプリ界隈では人気の考え方ですが、このREADMEはそれにかなり冷静です。

引用されている文章では、

という警戒が語られています。

これはかなり耳が痛い話です。
ノートを綺麗に整理した瞬間、なぜか「理解した気分」になる。あるあるです。
でも実際には、まだ考えていない。
この README は、その甘い罠をかなりはっきり指摘しています。

私も、ここは強く同意します。
ノートアプリを使っていると、​記録して安心する方向に流れやすい。
でも本当に大事なのは、記録ではなく、​記録を見ながら考え続けることなんですよね。

読むだけではなく、動くこと

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READMEの中には、こんな強い一文もありました。

かなり辛口ですが、言いたいことはよくわかります。
本を読んだり、ノートを取ったりすると、たしかに賢くなった気がします。
でも、感情の傷は感情レベルで癒す必要があるし、行動が必要な問題は行動しないと変わらない。
知識だけで全部を解決しようとしない、という姿勢です。

これを「メモ否定」と受け取る必要はなくて、むしろ逆で、​メモは現実を動かすために使えというメッセージだと思います。

どんな人に向いているか

このアプリは、次のような人に向いていそうです。

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逆に、最初から豪華なテンプレート、強力な検索、豊富なプラグイン、チーム向け機能を求める人には、少し物足りないかもしれません。
でも、その物足りなさこそが、このプロダクトの設計思想でもあります。

個人的におもしろいと感じた点

私はこのREADMEを読んで、​**“便利さの競争”ではなく“思考の質”で勝負している**感じがして、かなり好印象でした。

最近のソフトウェアは、どうしても「どれだけ多機能か」で比べられがちです。
でも files.md は、むしろそこから距離を取っていて、
考えることそのものを支える道具にしたい
という意思がはっきりしています。

しかも、ただの思想に終わっていないのがいいところです。

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というふうに、思想と実装がちゃんとつながっています。
この「言ってることとやってることが近い」感じ、私はかなり好きです。

まとめ

files.md は、派手なノートアプリというより、​静かに考えるための道具です。
ファイルを自分で持ち、必要最小限の機能で、メモを「整理物」ではなく「思考の素材」として扱う。
その姿勢には、今のAI時代だからこその説得力があると思います。

情報を集めることは、もう誰でもできます。
でも、情報をつないで、自分の判断に変えるのは、やっぱり自分の頭です。
files.md は、その当たり前を忘れないための、ちょっと不器用で、でもかなり誠実なアプリだと感じました。


参考: GitHub - zakirullin/files.md: 🌱 Private, quiet space for thinking. A simple app for your .md files.

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