最初に思ったのは、「速さ」より先に「本当に置き換えていいのはどこまでなんだろう」という不安のほうだった。この記事、Claude Code が何万行ものコード移行をかなり短期間で進めた話として読めるのだけれど、読後感は単純な武勇伝ではなかった。むしろ、AI がコードを“書ける”ことより、既存コードを“壊さずに移す”ために何を見ているのかのほうがずっと面白い。
特に引っかかったのは、テストや judge(判定用の仕組み)をかなり厚く置いている点だ。AI に「移行して」とだけ頼んで終わりではなく、どのテストを呼ぶか、どう同値変換するか、意図的な破壊をどう見分けるかまでルール化している。ここを読むと、AI の価値は“賢さ”そのものというより、作業の周りにある面倒な確認をどこまで機械に持たせられるかにあるのだと思う。逆に言えば、ここを雑にすると、どれだけ派手なデモでも現場では怖くて使えない。
もう一つ印象に残ったのは、移行先の言語が Zig や Rust みたいな「堅い」ものだったことだ。こういう移行は、ただの書き換えではなく、実質的には設計の再点検になる。だからこそ、AI が便利だとしても、人間が見ないといけない論点は残る。速度が上がるほど、最後の責任の重さは消えない。その当たり前を、この記事はちゃんと見せていたように思う。
参考: 100万行コード移行を4カ月で完了した話 Claude Codeで「2週間」に短縮した6ステップベストプラクティス