Claude Code で毎回同じお願いを打ち直しているなら、それをスラッシュコマンドにしてしまうと楽です。たとえば「このフォルダの重複ファイル候補を探して」「この文章をやさしい日本語に直して」「変更点を要約して」といった、よく使う頼みごとを短い名前で呼び出せます。長い指示を毎回貼り付ける手間が消え、作業の抜けも減ります。
まず押さえておきたいのは、カスタムコマンドは「Claude Code の中で何度も使う自分用の定型文」を保存しておく仕組みだということです。チャットの履歴を探し直すより、名前で呼べるほうがずっと速い。非エンジニアの人にとっても、これはかなり効きます。案件ごとの書類整理、フォルダの点検、不要ファイルの洗い出し、文章の整形など、毎回ほぼ同じ頼み方をする場面は意外と多いからです。
使い方は難しくありません。Claude Code では、プロジェクト内の .claude/commands にコマンド用のファイルを置きます。公式ドキュメントの案内に沿って作るのが確実ですが、基本の考え方は「ファイル名=コマンド名、本文=Claude への指示」です。たとえば、文章校正用の定型を作るならこんな形です。
.claude/commands/
proofreading.md
中身はこうです。
# 日本語の文章を整える
次の文章を、意味を変えずに読みやすく整えてください。
- 冗長な表現を減らす
- 主語と述語の対応をはっきりさせる
- 専門用語は必要なら言い換える
- 箇条書きは必要なときだけ使う
出力は、修正文だけにしてください。
この例なら、Claude Code 上で /proofreading のように呼び出せる形になります。細部の呼び出し方や命名規則は、使っている版の仕様差がありうるので、最終的には公式ドキュメントで確認してください。大事なのは、長いお願いを一度ファイルに閉じ込めておくことです。
実務で効くのは、指示を「かなり具体的に」書くことです。たとえばファイル整理なら、こういうコマンドが役立ちます。
# 不要ファイルを見つける
このディレクトリ配下で、削除候補になりそうなファイルを探してください。
判断のヒント:
- 一時ファイル
- 明らかな重複
- 古い書き出し
- 使われていないキャッシュ
ただし、勝手に削除はしないでください。
候補と理由だけを一覧で出してください。
ここで大切なのは、「削除して」と書かずに「候補を出して」と頼むことです。Claude Code は便利ですが、最初から自動実行させるより、候補を見て人が判断するほうが安全です。とくに書類、請求データ、案件フォルダ、写真の管理のように、消すと困るものが混ざりやすい作業では、この一手間が効きます。
もう少し実務寄りにするなら、案件ごとの作業に向いたコマンドも作れます。たとえば弁護士や事務職なら、フォルダ内の書面を点検する頼みごとを定型化できます。
# 案件フォルダの書類を点検する
このフォルダにある文書を見て、次の観点で整理してください。
- 似た名前のファイルがないか
- 版が古い書類が混ざっていないか
- 送付用、保存用、下書きが分かれているか
- ファイル名に日付や版数が必要なら提案する
修正や移動はせず、整理案だけを出してください。
こうしておくと、毎回「このフォルダを見て、古い版と新しい版を分けて」と打つ必要がありません。さらに、指示の粒度が揃うので、誰が使っても結果がぶれにくくなります。これは地味ですが、運用ではかなり大事です。
作るときのコツは、短くしすぎないことです。名前だけ短くして、中身の指示まで短くすると、結局毎回補足が必要になります。逆に、あれもこれもと詰め込みすぎると、コマンドの意味がぼやけます。ひとつのコマンドは、ひとつの作業に寄せるのが扱いやすいです。たとえば「文章を直す」と「要約する」は分けたほうがいい。目的が違うからです。
少し気をつけたいのは、カスタムコマンドに「何をしてほしいか」だけでなく「何をしないか」も入れておくことです。たとえば次のような一文があるだけで、事故が減ります。
勝手に削除、上書き、移動はしないでください。
不確かな点は確認してから進めてください。
これはディスク削減や整理系で特に重要です。候補出しは得意でも、実行は慎重にしたい。人の確認を挟む前提にしておくと、安心して使えます。
定型文がたまってきたら、少しずつ「自分の仕事の型」に寄せると、さらに効きます。たとえば文章作成なら、単なる校正ではなく「相手が非エンジニアの社内メンバーなので、専門語は言い換える」「メール文は件名案も出す」といった条件を足せます。整理作業なら「フォルダ構成の提案を先に出す」「容量の大きいものを優先して見る」といった指示が使いやすいです。こういう調整ができるのが、スラッシュコマンドを作る価値です。
もし最初の一歩で迷うなら、次の3本だけ作ると始めやすいです。ひとつは文章整形用。ひとつは要約用。もうひとつは「候補だけ出す」安全な点検用です。これだけでも、Claude Code を毎回ゼロから説明する場面がかなり減ります。慣れてきたら、案件別、用途別に増やしていけば十分です。詳細な保存場所や呼び出し方法は、使っている環境の公式ドキュメントを見ながら合わせるのが確実です。