半年ほど前に書いた記事「Excelでコピー&ペーストができない・反応しないときの原因と解決策」(公開から1年半ほど経つ)が、今週に入って急にアクセスが増えている。理由ははっきりしていて、2026年9月8日(日本時間9日)のMicrosoft月例更新(Patch Tuesday)で配信されたセキュリティ更新プログラム KB5002914 が、Excelの貼り付け機能そのものを壊したからだ。以前の記事は個別の環境要因を前提にした一般的な対処法だったが、今回はアップデート起因の全世界的な不具合という別物なので、まずここから切り分けて書き直す。
検索や社内問い合わせが今週になって急増しているのは、この不具合がまだ未修正で、影響範囲も広いためだと考えられる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原因の更新プログラム | KB5002914(2026年9月 Patch Tuesday) |
| 影響を受けるExcel | 2016 / 2019 / 2021 / 2024 |
| インストール形態 | MSI版・Click-to-Run版の両方 |
| 症状 | Ctrl+C / Ctrl+V が無反応、オートフィルも無反応。貼り付けが失敗してもコピー元の選択状態は保持される |
| 現時点の修正版 | 未公開(2026年9月12日時点) |
MSI版・Click-to-Run版の両方、Excel 2016から2024まで幅広いバージョンで発生が確認されているため、「自分の環境だけの問題」ではなくアップデート自体の不具合と考えたほうが早い。
コントロールパネル →「プログラムのアンインストール」→「更新プログラムの表示」から KB5002914 を検索してアンインストールする。MSI版Excel 2016で最も確実に効く回避策として報告されている。
Click-to-Run(Microsoft 365 / 新しいOfficeインストーラ)の場合は、コマンドプロンプトから以下を実行し、2026年9月8日より前のビルドにロールバックする。
cd /d "%programfiles%\Common Files\microsoft shared\ClickToRun"
officec2rclient.exe /update user updatetoversion=<9月8日より前のビルド番号>
ビルド番号は環境によって異なるため、社内のOffice展開担当や情報システム部門に確認するのが安全。
回避策を適用した直後にWindows Updateが再度当ててしまうと元に戻ってしまうため、修正版が出るまではOfficeの自動更新を一時停止しておく。
今回の更新プログラム起因ではなく、以前から起きていた個別要因が重なっているケースもある。以前の記事で詳しく解説しているが、要点だけ再掲する。
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| Excel自体の不安定化 | 一度終了して再起動。他アプリへの貼り付けで切り分け |
| クリップボードの不具合 | PC再起動。Teamsなどクリップボードを監視するアプリを終了 |
| アドイン・マクロの干渉 | 不要なアドインを無効化。マクロのブロック設定を確認 |
| シート保護 | 「校閲」タブ →「シート保護の解除」 |
| セキュリティソフトの監視機能 | クリップボード監視機能を一時的に無効化 |
KB5002914を適用していない、またはアンインストール済みなのに直らない場合は、こちらの原因を順に切り分けてほしい。より詳しい手順は以前の記事にまとめてある。
修正パッチが出次第、この記事も更新する。