Claude Code に何かをやらせるとき、いちばん無駄が出るのは「出力の形」を決めないまま突っ込むやり方だ。Markdown で返してほしいのか、表で見たいのか、箇条書きで十分なのか。そこを曖昧にすると、内容は合っていても読みづらい返答が返ってきて、結局こちらが整形し直す羽目になる。
この手の手戻りは、開発作業でも文書作成でも同じだ。ファイル整理の報告を見やすくしたいだけでも、コードレビューの下書きを作りたいだけでも、最初に返答形式を固定しておくとかなり楽になる。要するに、Claude Code に「何を書くか」だけでなく「どう並べるか」まで先に渡すわけだ。Markdown か表かを決める、出力フォーマットを指定する、という話である。
たとえば、説明文をそのまま返してほしい場面なら、最初にこう書けばいい。
以下の形式で返してください。
- 見出しは不要
- 本文は Markdown の箇条書き
- 各項目は 2 行以内
- 余計な前置きは入れない
これだけで、返答がだいぶ扱いやすくなる。Claude Code は内容の要約も得意だが、形式が決まっていないと、妙に長い段落を作ったり、逆に短すぎて意味が抜けたりする。人間が欲しいのは中身だけではなく、あとで使える形になった中身だ。
表で受け取りたいなら、もっとはっきり固定してしまう。こういう頼み方だ。
次の結果を表で返してください。
列は「項目」「状態」「補足」の3つだけにしてください。
表以外の説明は不要です。
この一言があるだけで、レビュー用の整理、比較表、棚卸しのメモがかなり楽になる。ファイル整理なら「重複」「不要候補」「残す理由」を列にしてもいいし、文書作成なら「見出し」「要点」「修正対象」にしてもいい。表にすると、あとで目視確認しやすい。Markdown の箇条書きより、判断材料が一列で見えるからだ。
筆者は以前、Claude Code にディレクトリの整理方針を頼んだとき、形式を決めずに投げてしまって手戻りした。説明はまともなのに、段落が長くて、そのまま作業メモに貼れなかったのだ。結局、あとから「表で、短く、各行に1件」と言い直した。最初からそれを指示しておけば、余計な1往復は要らなかった。こういう無駄が地味に痛い。
返答形式を固定するときは、細かすぎる指定をいきなり盛り込みすぎないのがコツだ。最初から「JSON で、キーはこれだけで、値はこの型で、配列の順番はこうで、改行はなしで」と畳みかけると、今度は条件が多すぎて壊れやすい。まずは「Markdown か表か」を決める。必要なら次に「見出しは要らない」「各行は短く」「最後に要約を1行入れる」と足していけばいい。
実務では、この順番がかなり効く。いきなり完成形を狙うより、出力の器を先に固めるほうが安定するのだ。たとえば文書作成なら、まずはこう指示する。
以下をMarkdownで整えてください。
- 見出しは h2 まで
- 箇条書きは3階層まで
- 重要語は太字にしない
- 最後に要点を3行でまとめる
これで下書きの骨格が安定する。太字を禁止したのは、見た目を派手にするためではない。あとで別の文書へ流用するとき、装飾が多いと邪魔になるからだ。Claude Code は親切に装飾を足してくることがあるので、不要なら先に止めておくほうがいい。
ここで気をつけたいのは、形式指定が「内容の品質」を自動で上げるわけではない点だ。返答の形がきれいになっても、入力が曖昧なら中身はぶれる。たとえば「不要ファイルを整理して」とだけ言うと、何を不要とみなすかがぼやける。そこは「拡張子」「サイズ」「最終更新日」「残す条件」まで渡したほうがいい。形式は器、中身は条件だ。両方いる。
逆に、形式を固定しておくと、Claude Code を雑に使っても破綻しにくい。非エンジニアの人なら、たとえばこんな使い方がわかりやすい。
次のフォルダ内のファイルについて、表で整理してください。
列は「ファイル名」「種類」「残すか」「理由」にしてください。
説明は短く、専門用語は避けてください。
これなら、書類の仕分けや写真整理のメモにも使いやすい。返答が長文になると、あとで見返す気が失せる。表なら一目で判断しやすい。難しいことはしていないが、かなり実用的だ。
もうひとつ大事なのは、出力フォーマットの指定を毎回コピペできる形で手元に置いておくことだ。よく使うなら、自分用のひな形を作っておけばいい。たとえば、どの依頼にも先頭にこの一文を入れる。
返答はMarkdownで、余計な前置きなし。必要なら表を使い、1項目1行で。
別の場面では、こう変える。
返答は表で。列は固定し、表の外の説明は最小限に。
こういう短い指定を先に置くと、Claude Code の返答が安定する。毎回「今回は箇条書きで」「今回は表で」と迷わなくて済むし、出力をそのまま次の作業に流し込みやすい。地味だが、作業時間を食うのはこういう迷いだ。
最後に一つだけ。形式指定は、厳しすぎると逆に弱くなる。表にしたいのに情報が細かすぎるなら、無理に1枚へ押し込まず、まずはMarkdownの箇条書きで出してもらうほうがいい場合もある。出力の見栄えにこだわるより、あとで使えるかを優先したほうがいい。Claude Code は、きれいな文章も作れるが、こちらが使いやすい形を先に渡したときのほうがずっと働きやすい。
返答形式を先に固定するだけで、やり取りはかなり締まる。次にやるなら、よく使う依頼文の先頭に「Markdown か表か」を一文で差し込んでおくことだ。そこから先の手戻りが、目に見えて減る。