「Wordが重い」と一口に言っても、どこで重いかによって直す場所がまったく違います。起動から遅いのか、特定のファイルだけ重いのか、文字を打つとワンテンポ遅れるのか。最初の1分でここを見分けておくと、あとは該当する手順を1つか2つ試すだけで済むことがほとんどです。
| いまの症状 | 疑う場所 | 最初に試すこと |
|---|---|---|
| どの文書でも重い/起動そのものが遅い | アドイン、標準テンプレート(Normal.dotm)、Office 本体 | 手順1(セーフ モード) |
| 文字を打つとカーソルが遅れてついてくる | 入力中の文章校正、アドイン | 手順2 |
| 開いた直後や Copilot を使った直後に固まる | Copilot などのオンライン機能 | 手順3 |
| 特定の1ファイルだけ重い | 画像・変更履歴・コメントなどファイルの中身 | 手順4 |
| 印刷プレビューや起動時に待たされる | 既定のプリンター | 手順5 |
判断に迷ったら、同じ PC で新しい白紙文書を作って文字を打ってみてください。白紙でも遅いなら PC・Word 側の問題(手順1〜3、5〜7)、白紙は軽いのに元の文書だけ重いならファイル側の問題(手順4)です。
アドイン(Word に後から追加された拡張機能)を読み込まずに起動する「セーフ モード」は、原因を切り分けるいちばん確実な方法です。
winword /safe と入力して OKセーフ モードで軽いなら、原因はアドインでほぼ確定です。普通に起動し直してから次の順で止めます。
PDF 変換、翻訳、クラウド連携、会計・営業支援ツール系のアドインは候補になりやすいので、心当たりがあれば先に外してみてください。会社の PC でアドインが一括管理されている場合は、外せないこともあります。その場合は情報システム担当に「セーフ モードだと軽い」と伝えると話が早く進みます。
長い文書で「打つたびにもたつく」ときは、入力と同時に走るスペル チェック・文章校正が負荷になっていることがあります。
これで軽くなったら原因は校正です。校正を完全に捨てる必要はなく、書き終えてから [校閲]→[スペル チェックと文章校正] で手動チェックする運用に切り替えれば、校正機能はそのまま使えます。
Copilot を切ると軽くなるかどうかで、Copilot が関係しているかを確かめられます。ただし、Word の中で Copilot をオフにできるのは個人用 Microsoft アカウント(Microsoft 365 Personal / Family など)でサインインしている場合だけで、Word のバージョン 2412 以降が対象です。
この設定は Word だけに効き、Excel や PowerPoint には別のチェックボックスがあります。会社・学校のアカウントでは項目が出ないので、Copilot の扱いは管理者に確認してください。
オフにしても重さが変わらなければ、Copilot は原因ではありません。オンに戻して次の手順へ進みます。
白紙の文書は軽いのに、ある文書だけ重いなら、原因はその文書の中身です。よくあるのは次の3つです。
貼り付けた写真が大きすぎる。 スマホやデジカメの写真をそのまま貼ると、1枚で数 MB になります。
「図のトリミング部分を削除する」も選べますが、削除したトリミング部分は元に戻せません。元の画像が必要な場合は、先にファイルを別名で保存しておいてください。
変更履歴やコメントが大量に残っている。 共同で何度も直した文書は、見えないところに変更履歴がたまっています。**[校閲]** タブで変更を承諾(または元に戻す)し、不要なコメントを削除すると軽くなることがあります。コメントがうまく消せない場合はこちらの記事を参照してください。
OneDrive や SharePoint 上のファイルを直接開いている。 一度デスクトップなどローカルにコピーして開き、軽さを比べてみてください。ローカルなら軽いという場合は、通信・同期の影響です。
意外に見落とされますが、Word はページのレイアウトを計算するときに既定のプリンターの情報を使います。ネットワーク プリンターが応答しない状態だと、起動や表示が待たされることがあります。Microsoft のトラブルシューティング手順にも「既定のプリンターを変える」が入っています。
どの文書でも挙動がおかしい、起動が異常に遅いという場合は、すべての文書の土台になる標準テンプレート Normal.dotm が壊れていることがあります。
cmd と入力してコマンド プロンプトを開くren %userprofile%\AppData\Roaming\Microsoft\Templates\Normal.dotm OldNormal.dotm
自分で登録したスタイルやマクロ、定型句は OldNormal.dotm 側に残っています。元に戻したいときは、新しくできた Normal.dotm を削除してから OldNormal.dotm の名前を Normal.dotm に戻してください。
ここまでで直らなければ、Word 本体の不具合を疑います。
修復は Word だけでなく Office 全体が対象になります。オンライン修復のあとは、Office へのサインインをやり直す必要がある場合があります。
以前は [ファイル]→[オプション]→[詳細設定] に「ハードウェア グラフィック アクセラレータを無効にする」がありましたが、現行の Word ではこの項目が表示されない版があります(Microsoft Q&A でも、新しいバージョンで意図的に外されたと回答されています)。項目が見当たらない場合は、Windows Update とグラフィックス ドライバーの更新を先に試してください。
サポートや社内の情報システム担当に相談するときは、次の3点を伝えると原因の特定が早くなります。
winword /safe)で軽くなったか