この手の記事を読むと、つい「モデルの中身」よりも先に「人間が読んだときの違和感」のほうに目が行く。今回もまさにそこが面白かった。Claude には、内容そのものというより、返答の骨組みを支えている語彙や言い回しがある、という見方はかなりしっくりくる。モデルを語るときに精度やベンチマークばかり見がちだけれど、実際に人が触るのは一文一文の手触りなので、そこの癖は思っている以上に大きい。
特に引っかかるのは、こういう“load-bearing vocabulary”が、単なる口調の好みではなく、思考の進み方そのものに見えてしまう点だと思う。たとえば「まずはこれ」「重要なのは」「つまり」といった型が多いと、説明は整って見える。でも裏を返すと、その型がないと話が崩れやすい。人間の文章でも似たことはあるが、LLM だとその依存がもっと露骨に出るのかもしれない。きれいに見える文章ほど、実は少数の言い回しに支えられている、というのは少し怖い。
一方で、こうした癖を見つけることは、モデルを過剰に神秘化しないためにも役立つと思う。賢さの証明として見るより、「この返答はどの定型句で安定しているのか」と眺めたほうが、ずっと実態に近い。AI の出力を読む側としても、内容の正しさだけでなく、どの表現に寄りかかっているかを見る癖が必要なんだろうな、と思った。