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長文の下書きを章ごとに作らせる

長文を一気に書かせて、あとで整えようとする。これがいちばん手戻りが多い。Claude Code は力があるぶん、雑に投げると最初から最後まで平べったい下書きが出てきて、直す側がしんどい。そこで効くのが、章分割の下書き、つまり分割執筆だ。

やり方は単純だ。最初に全体の骨組みを出させ、そのあと章ごとに順番に埋める。Claude Code にも人間にも、このほうが圧倒的に扱いやすい。文書作成でも、議事録の整形でも、フォルダ整理の手順書でも同じである。長いものを一気に完成させようとしない。短い単位で前に進めるのがコツだ。

まず全体の器を決める

いきなり本文を書かせる前に、章立てだけ作らせる。ここで欲しいのは「見出しの候補」と「各章で何を書くか」のメモだ。まだ文章にはしない。

たとえば、こんな依頼文でいい。

次のテーマで長文の下書きを作りたいです。まず本文は書かず、章立てだけを作ってください。

テーマ:
- 会社の古い共有フォルダを整理する手順
- 非エンジニアにも分かる説明
- 実務でそのまま使える内容にする

条件:
- 章は5〜7個
- 各章に1〜2行の説明を付ける
- 章の順番は、準備 → 実行 → 確認 → 事故防止 の流れにする
- 専門用語は最小限にする

この段階で大事なのは、完成文を欲張らないことだ。最初から「全部書いて」とやると、論点が散る。Claude Code は文脈を広く使うので、長い本文を一気に出させるほど、後半で細部が雑になりやすい。筆者は以前、長文ガイドを丸ごと生成させてから直そうとして、冒頭と後半で用語の言い回しが揺れまくり、結局かなり書き直した。最初から章で区切ったほうが早かった。

章をひとつずつ埋める

骨組みができたら、章ごとに順番に依頼する。ここでのコツは、毎回「この章だけを書いて」と明確に切ることだ。全体の続きを勝手に書かせない。

たとえば第1章ならこうだ。

次の章だけを下書きしてください。ほかの章は書かなくていいです。

章タイトル:
- 散らかった共有フォルダを見直す前に決めること

入れたい要素:
- 何を残して何を消すかを先に決める
- ルールなしで始めると後で揉める
- まずは対象フォルダを1つに絞る

文体:
- 常体
- 非エンジニアにも分かる表現
- 実務で読める自然な文章

この分け方だと、各章の役割がぶれにくい。しかも、気に入らない章だけ差し替えやすい。長文を一度で直す地獄から抜けられる。Claude Code にとっても、直す範囲が狭いほうが精度が出やすい。

章ごとの依頼は、役割をはっきり書く

章を作らせるときは、「何を書くか」だけでなく「何を書かないか」も伝えるといい。ここが曖昧だと、説明が回りくどくなる。

たとえば、こんな具合だ。

この章では、具体的な操作手順はまだ書かないでください。
読者が最初に混乱しやすい点と、先に決めるべき判断基準だけを書いてください。

逆に、手順章ならこうだ。

この章では、実際の作業手順を順番に書いてください。
注意点は各手順のあとに短く添えてください。
抽象論は最小限にしてください。

この「書かないもの」を指定するのは地味だが効く。Claude Code は頼まれたことを丁寧に広げるので、放っておくと説明が肥大化する。長文記事ならまだいいが、実務メモや操作手順では冗長さが毒になる。

章間のつながりは最後に整える

分割執筆でよくある失敗が、各章を個別に書かせたまま放置することだ。これをやると、章ごとはきれいでも、通して読むと重複だらけになる。

だから最後に、全章をまとめて見直させる。ここは人間がざっと読んでから、Claude Code に整えてもらうのがいい。

ここまでの各章を通しで読んで、次を整えてください。

- 同じ説明の重複を減らす
- 章のつながりが不自然なところを直す
- 用語の表記をそろえる
- 章の順番は変えずに、流れだけ滑らかにする

ここで「章の順番は変えずに」と入れるのが地味に効く。流れを直してほしいだけなのに、構成までいじられると面倒だからだ。人間の意図を小さく固定しておくほど、修正の暴れ方が減る。

失敗しやすいのは、章ごとの粒度がバラバラなこと

分割執筆は便利だが、章の粒度をそろえないと崩れる。第1章が背景説明だけで、第2章が急に詳細な操作手順、第3章が箇条書きの注意点、みたいに揺れると、読みにくくなる。

なので最初の章立てで、各章に期待する役割をざっくり均等にしておくといい。

たとえば、
「導入」
「判断基準」
「手順」
「つまずきやすい点」
「運用のコツ」
のように、流れを先に決める。

筆者は一度、章ごとに自由に書かせたことがあるが、ある章だけやたら長くなって、別の章は薄い。結局、薄い章を肉付けし、長い章を削る作業に時間を取られた。最初から粒度を決めておけば避けられた話だ。

長文を章ごとに作るときの実用テンプレ

実際の依頼は、次の流れにすると安定する。

1. まず章立てだけ出す
2. 各章の目的を1〜2行で確定する
3. 章を1本ずつ書かせる
4. 全章を通して重複とつながりを整える
5. 最後に言い回しをそろえる

この順番のいいところは、途中で「方向が違う」と気づいても戻りやすいことだ。いきなり20ページ分を生成してからの修正はきつい。章単位なら、やり直しが現実的な範囲に収まる。

こんな場面で特に効く

章分割の下書きが効きやすいのは、長い説明文だけではない。たとえば、次のような用途でも強い。

案件ごとの手順書を作るとき。最初に全体像を決め、案件の前提、準備、実行、確認、引き継ぎを章に分けると、抜けが減る。

社内向けの案内文を書くとき。背景、対象者、やること、期限、例外処理を別々に書かせると、読み手が迷いにくい。

ファイル整理のルールを文章化するとき。捨てる基準、残す基準、保存場所、例外ルールを分けると、実際に運用しやすい。

要するに、長い文章を「ひとかたまり」で考えないことだ。Claude Code は一気書きもできるが、実務では分けたほうが強い。分割執筆は、遅くなるテクニックではない。むしろ、後戻りを減らして速くするやり方である。

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