PDF を全部読んでから表を作る、あれは一番だるい。しかも大抵、読み落としが出る。Claude Code の出番はそこだ。ファイルの山を丸ごと相手にして、必要な項目だけ拾い、CSV か Markdown の表に整える。人力で目を通す仕事を、最初のふるい分けだけでもかなり減らせる。
ここで大事なのは、いきなり「全部まとめて」と投げないことだ。雑に頼むと、抜き出し対象がぶれたり、表の列が途中で増えたりする。筆者は最初、会議議事録を一気に食わせて「決定事項だけ表にして」と頼み、欲しかったのは案件名・担当者・期限だったのに、Claude Code が空気を読んで論点まで拾い始めたことがある。悪くはないが、欲しい形ではない。こういう手戻りが一番もったいない。
まずは対象を狭く決める。PDF や議事録の置き場をひとつのフォルダに寄せて、何を抜き出したいのかを列ごとに言葉で固定する。たとえば、案件ごとの一覧なら「ファイル名、日付、案件名、決定事項、担当者、期限」で十分だ。全部を要約させるより、表にしたい項目だけ指定したほうが強い。
実際の頼み方はこんな感じでいい。
claude
このフォルダ内の PDF と議事録テキストから、次の項目だけを抽出して表にしてください。
列:
- 元ファイル名
- 会議日
- 案件名
- 決定事項
- 担当者
- 期限
ルール:
- 事実として書かれている内容だけを入れる
- 推測で埋めない
- 項目が見つからないときは空欄にする
- 1 行 = 1 件でまとめる
- 重複は統合する
- 出力は Markdown の表にする
PDF が多いなら、最初から「全部を一度に完璧に」狙わないほうがいい。まずは対象ファイルを減らす。たとえば月ごと、案件ごと、部署ごとに分ける。Claude Code は長い文書を扱えるが、だからといって無限に雑に読ませてよいわけではない。入力が膨らむほど、表の精度より「何を優先して拾うか」の指定が効いてくる。
議事録系で効くのは、抽出基準を先に決めておくことだ。「決定事項だけ」「宿題だけ」「期限があるものだけ」のように絞ると、後で人が確認しやすい表になる。逆に、要約と抽出を同時にやらせると、表の列が太りやすい。筆者はここで何度も失敗した。要約がうまいからといって、表づくりまで自動でうまくいくわけではない。役割を分けたほうが安定する。
たとえば、会議の宿題管理ならこう頼む。
このフォルダ内の議事録から、未完了の宿題だけを抜き出してください。
列:
- 会議日
- 依頼元
- 宿題内容
- 担当者
- 期限
- 補足
条件:
- 宿題として明示されているものだけ対象
- 「検討する」「確認する」だけで担当者や期限がないものは、補足にそのまま書く
- 同じ宿題が別ファイルに重複していたら、最新の記載を優先して1件にまとめる
- 判断があいまいなら、表に入れずに別リストで出す
ここで地味に効くのが「曖昧なら別リストに回す」という指示だ。無理に埋めさせると、表はきれいでも中身が怪しくなる。人が後で確認する仕事なら、怪しいものを混ぜないほうが結局早い。
PDF がスキャン画像のままだと、文字として拾えるかが先にある。ここは Claude Code だけの話ではなく、OCR の問題だ。文字が読めない PDF は、当然ながら抽出もうまくいかない。画像 PDF を相手にするなら、まずテキスト化できる状態かを確かめる。ここで「読めているはず」と思い込むと、表が空欄だらけになる。これは本当にある。
出力先も最初に決めると迷わない。Markdown の表で見たいのか、CSV でスプレッドシートに入れたいのかで、頼み方が少し変わる。
出力は CSV 形式で、ヘッダー行を付けてください。
文字列の中にカンマが入る可能性があるので、必要なら引用符で囲んでください。
スプレッドシートに流すなら CSV が扱いやすい。人間が読むだけなら Markdown の表で十分だ。用途が曖昧なまま始めると、せっかく抜き出したのに再整形が発生する。二度手間はここで起きる。
一歩進めるなら、表にする前の下ごしらえを Claude Code にやらせるといい。たとえば、長い議事録から「日付ごと」「案件ごと」に見出しを揃えさせてから抽出する。あるいは、ファイル名のゆれを整えてから一覧化する。ファイル整理まで含めると、後の検索がかなり楽になる。
このフォルダ内の議事録について、まず次をしてください。
1. ファイル名から会議日が分かるものは拾う
2. 本文中の日付も照合する
3. 案件名の表記ゆれを統一する
4. そのうえで、宿題一覧を表にする
表の前に、表記ゆれの統一ルールも短く書いてください。
最後に、やってはいけないことをはっきり言う。根拠のない補完を許すことだ。「たぶんこの担当者だろう」「期限は普通こうだろう」は危ない。議事録や PDF の抽出は、推測が混ざった瞬間に信用を落とす。必要なのは賢い作文ではなく、見つかった事実をそのまま表に落とすことだ。
もし扱う文書がさらに増えるなら、次は「フォルダの構成を先に整える」「重複 PDF を減らす」「よく使う抽出フォーマットを固定する」に進むといい。Claude Code は一発芸より、同じ型を何度も回すと強い。文書の山を毎回ゼロから読むのではなく、最初の整理役として使う。そこがいちばん効く。