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ValveがSteam ControllerのCADファイルを公開。改造勢よ、出番です

キーポイント

本文

Valveがまた、ちょっと面白いことをやってくれました。
新しい Steam Controller のCADファイルを公開したのです。

ここでいう CADファイル というのは、ざっくり言えば「3D設計図」のこと。
ものづくりの現場で使う、立体の形や寸法が入ったデータです。これがあると、外側の形を正確に再現したり、その形にぴったり合うパーツを作ったりしやすくなります。

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今回Valveが出したのは、コントローラー本体と Puck の外装部分に関するデータ。
ファイル形式は .STP.STL、それに工学図面も含まれています。
ただし何でもかんでも自由というわけではなく、信号の強さや正常な動作に関わるため、​覆ってはいけない部分 が図面で示されているそうです。ここは大事で、見た目だけ真似ればいいわけではない、ということですね。ガジェットは“中身が動いてナンボ”ですから。

Valveの狙いはかなり明快です。
この公開によって、改造好きの人たちが スキン​(見た目を変えるカバー)、​充電スタンド、​グリップ拡張​(握りやすくする追加パーツ)、​スマートフォン用マウント​(スマホを固定するアタッチメント)などを作りやすくする、というわけです。

個人的には、こういう「公式が設計情報を出して、コミュニティが遊べる余地を残す」やり方はかなり好印象です。
ガジェットって、完成品を買って終わりだと少し味気ないことがあるんですよね。でもCADが公開されると、「自分ならこうしたい」がそのまま形になりやすくなる。これはファンにとってかなり大きいです。

しかもValveは、こういう公開を今回が初めてではありません。
過去には Steam Deck、​Valve Index、そして10年前の 初代Steam Controller のCADファイルも公開しています。なので今回も「ついにやった!」というよりは、「ああ、Valveがまたやってる。いいぞいいぞ」という感じです。Valveは製品を売るだけでなく、周辺の創作文化まで含めて盛り上げるのが上手い会社だと思います。

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一方で、ライセンスはかなりゆるいようで、実は少し条件があります。
今回の公開は Creative Commons ライセンスですが、​非商用利用 が基本です。つまり、個人が趣味で作ったり、コミュニティで共有したりするのはしやすいけれど、勝手に大量生産して売るような使い方は制限されます。
とはいえ、商用でアクセサリーを作りたい企業には、​Valveに直接連絡して条件を相談できる 余地があるとのこと。完全封鎖ではなく、ちゃんと門を開けているのがValveらしいところです。

このあたり、地味に重要です。
「公開しました」で終わる会社も多いですが、Valveはそこからさらに “どう使ってもらうか” まで考えているように見えます。もちろん、それが全部うまくいくとは限りませんが、少なくともコミュニティとの距離は近い。そこが強みでしょう。

記事の著者は、もし自分なら スマホクリップ が欲しいと書いていました。
Moonlightのようなゲームストリーミングを使って、スマホで軽く遊ぶときに便利そうだ、という話です。これはかなり共感できます。
正直、スマホをくっつけられるアクセサリーって、見た目はちょっと大げさでも、使い始めると手放せなくなることが多いんですよね。特にストリーミングプレイとの相性は良さそうです。

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Steam Controller自体が、そもそも「万人向けの無難なゲームパッド」というより、少し尖った存在です。
だからこそ、こういう“公式が改造の余地を認める”展開は、製品の個性とかなり噛み合っています。
完成品を買って満足する人自分好みにいじりたい人 の両方に刺さる、なかなか面白い動きだと思います。

Valveは昔から、PCゲーム周辺機器や携帯ゲーム機で「作ったあとに広がる余白」を作るのがうまい会社です。今回のCAD公開も、その流れの延長線上にある出来事でしょう。
ガジェット好き、3Dプリント好き、改造好きにはかなり嬉しいニュースではないでしょうか。


参考: Valve Releases Steam Controller CAD Files Under Creative Commons License

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