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SnapとPerplexityの400億円級AI検索提携が消滅 SnapchatにAI検索を入れる計画は白紙に

記事のキーポイント

詳しく解説

SnapとPerplexityの提携が終わった、というニュースです。
ざっくり言うと、「Snapchatの中でPerplexityのAI検索をそのまま使えるようにするはずだったけど、結局うまくハマらず、話は終わりました」ということです。

この提携、去年11月に発表された当初はかなり派手でした。
Snapは、PerplexityのAI search technologyをSnapchatの目立つ機能として組み込む計画を打ち出し、しかも2026年の早い時期には収益化が始まる見込みだとしていました。
4億ドル規模の話なので、かなり大きな賭けだったわけです。正直、こういう大型提携は「いよいよSnapもAI時代に本気だな」と思わせるインパクトがありました。

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ところが実際には、機能はSnapchat内でテストされたものの、​全面展開には至らなかったとのこと。
しかもSnapは以前から、「広い範囲で展開する道筋について、まだ双方で合意できていない」と説明していました。つまり、途中から雲行きが怪しかったんですね。

Perplexity側の説明も興味深いです。
同社のスポークスパーソンは、今回の機能は​「どちらの会社にとっても最適な形ではなかった」​としています。
要するに、仲違いというよりは、「やってみたけど、製品としての相性がいまひとつだった」という話のようです。こういうの、外から見ると単なる失敗に見えますが、実際にはプロダクトの設計や導線、ユーザー体験の相性がかなり効いてくるので、案外よくあることだと思います。

Perplexityは今後もSnapchatを重要なプラットフォームとして見ており、Snapの広告商品も使い続ける、としています。
つまり、​完全に縁が切れたわけではないけれど、あの「Snapchat内AI検索」という目玉企画はなくなった、という理解でよさそうです。

ではSnapはどうするのか

SnapはAIをあきらめたわけではありません。むしろ別ルートで収益化を狙っています。
最近は AI Sponsored Snaps を展開しました。これは、ブランドがユーザーの会話の中にAI agentsを出せるようにする仕組みです。

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ここ、個人的にはかなりSnapらしいと感じます。
Snapはもともと「広告をSNSの邪魔者にしすぎず、体験の中に溶かし込む」のがうまい会社です。AI Sponsored Snapsも、単なる広告枠というより、「会話に自然に入ってくるAI」を売る発想ですよね。
CEOのEvan Spiegelも、これがchatをSnapchatらしい形で収益化できる証拠だと話しています。たしかに、チャットは広告にしにくい領域ですが、AIを挟むと新しい売り方が見えてくるのは面白いところです。

Snapが見ている次の本命はAR glassesかもしれない

今回の記事では、SnapがSpecs という新しいAR glassesの話もしていました。
AR glassesは、現実の風景にデジタル情報を重ねて見せるメガネ型デバイスのことです。まだ一般には馴染みが薄いですが、スマホの次のインターフェース候補として期待されています。

Spiegelは、これからのコンピュータの使い方は大きく変わると語っています。
人はキーボードを打ち続ける時間が減り、代わりにagent を見守る時間が増える、というわけです。
ここはちょっと未来感があって、個人的にはかなり面白い発言だと思いました。AIが自分の代わりに作業し、それを人間が監督する──そんな使い方が当たり前になるかもしれない、という見立てです。

Snapは、来月の Augmented World Expo(AWE)​ でSpecsについてさらに発表する見込みです。
もしここで具体的な進展が出てくれば、SnapにとってはAI検索提携の失敗を補って余りある、次の一手になる可能性があります。

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まとめ

今回の件は、単なる「提携終了」以上の意味があると思います。
AIブームの中では、派手な発表が先行しがちですが、実際にユーザー体験へ落とし込むのは簡単ではありません。SnapとPerplexityの件は、その難しさをかなりストレートに示した例ではないでしょうか。

とはいえ、SnapがAIを完全にやめるわけではなく、広告やAR glassesに軸足を移しているのは興味深いです。
AI検索がダメでも、別の形なら勝てる──そんな戦い方を模索しているように見えます。


参考: Snap's $400 Million Deal With Perplexity Is Dead

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