Nvidiaの創業者でCEOのJensen Huang(ジェンスン・フアン)氏が、Carnegie Mellon Universityの卒業式でかなり熱いメッセージを送りました。要するに、「AIを怖がるより、全力で飛び込め」という話です。見出しの「Run. Don’t walk toward AI」は、まさにそのままの勢いを表しています。歩くんじゃなくて走れ、というわけです。
この記事が面白いのは、いま多くの学生や若い社会人が感じている不安に、真正面から答えているところです。AIが進化すると、「自分の仕事はなくなるのでは?」と思う人は少なくありません。実際、そうした不安はかなり自然だと思います。ですがHuang氏は、その見方をひっくり返しました。AIは終わりではなく、むしろ始まりだ、と。
彼が強調したのは、AI需要によってインフラ整備が爆発的に必要になるという点です。ここでいうインフラとは、AIを動かすための土台のこと。たとえば、chip factory(半導体工場)、data center(大量のサーバーを置いてAIを動かす施設)、advanced manufacturing facilities(高度な製造拠点)などです。AIはクラウドの中だけで勝手に動いているように見えますが、現実には巨大な設備と人の手が必要なんですね。ここ、かなり大事です。
Huang氏は、こうした建設や製造の現場で plumber(配管工)、electrician(電気工事士)、ironworker(鉄骨を扱う職人)、builder(建設作業者)など、さまざまな職種が求められると述べました。つまり、AI時代の恩恵はエンジニアだけのものではない、ということです。これは個人的にかなり希望のある話だと思います。AIというと「プログラマー向けの世界」に聞こえがちですが、実際にはもっと広く、現場の仕事まで含めた大きな産業変化なんですよね。
さらにHuang氏は、卒業生たちに向けて「No generation has entered the world with more powerful tools — or greater opportunities — than you.」と語りました。直訳すると、「あなたたちほど強力なツールと大きな機会を持って社会に出る世代はいない」という意味です。かなり力強い言葉です。普通なら卒業式って「頑張ってね」という穏やかな空気になりがちですが、Huang氏はかなりハイテンションで未来を鼓舞しています。Nvidiaのトップらしい、技術の最前線からのメッセージだなと感じます。
そして締めの「So run. Don’t walk.」が印象的です。AIに対して慎重になりすぎず、今すぐ動け、と。ここには「迷っている時間がもったいない」というニュアンスがあります。もちろん、AIには課題もあります。雇用の変化、倫理、格差、誤情報など、心配すべき点は山ほどあります。ただHuang氏は、その不安に飲み込まれるより、技術を前向きに使って未来を作ろうと訴えているわけです。

また彼は、「Every major technological revolution in history created fear alongside opportunity.」とも述べています。つまり、歴史上の大きな技術革命は、いつだって恐れとチャンスを同時に生んできた、ということです。これはかなり本質的な指摘だと思います。蒸気機関でも、電気でも、インターネットでも、最初は「仕事がなくなる」「社会が壊れる」といった不安がつきものでした。でも結果的には、新しい産業や働き方が生まれてきました。AIもその延長線上にある、という見方ですね。
Huang氏は、社会がテクノロジーを「openly, responsibly, and optimistically」——つまり、開かれた形で、責任を持って、前向きに受け入れるとき、人間の可能性はむしろ広がると語りました。ここは単なる楽観論ではなく、「使い方次第で未来は変わる」というメッセージだと受け取れます。AIを怖がって止めるのではなく、どう管理し、どう活かすかが重要だということです。
個人的には、このスピーチはかなり象徴的だと思います。AIを作っている側のど真ん中にいる人物が、若い世代に向かって「AIは脅威ではなく、チャンスでもある」とはっきり言っているからです。しかも、単にソフトウェアの話に閉じず、現場の仕事や製造業まで視野に入れているのがいい。AIブームというと華やかなイメージばかりが先行しがちですが、実際には工場や配線や建設といった、地に足のついた仕事が巨大な需要を生む。その現実感が、このコメントの説得力を増しています。
もちろん、だからといって「AI万歳」で済む話ではありません。職種によっては影響を強く受ける人もいますし、学び直しが必要になる場面も増えるはずです。そこは冷静に見ないといけないと思います。ただ、少なくともHuang氏のメッセージは、若い人たちに「AI時代はもう始まっている。ならば逃げるより乗れ」と伝える、かなり明快な応援歌でした。
Jensen Huang氏は、AIを「仕事を奪う敵」ではなく「新しい産業を生む起爆剤」として語った、という記事です。怖さはある。でも、それ以上に大きなチャンスがある。そんな空気を、かなり強い言葉で示したのが印象的でした。
参考: Jensen Huang to college grads: "Run. Don't walk" toward AI